. ページ30
No side
貴｢そう言えば一颯、細くなっちゃったね。｣
あれから一週間後、柊とAは会う約束をしていた。
待ち合わせた喫茶店で、Aはオレンジジュースを飲みながらそう言う。
柊｢それはAもだろ。｣
貴｢確かに。｣
柊は笑いながらアイスコーヒーを飲む。
柊｢今日は暑いな。｣
貴｢ねー、もう…嫌になっちゃうよ。｣
そう言う彼女の半袖から見える細い二の腕。
その向かい側で笑う彼のしろい肌。
もうそこに、誰かが入って邪魔をする隙間は無かった。
柊｢…あれから、Aは被害を受けてないのか？｣
貴｢少し……？？｣
それを聞いて柊は驚きAに何があったのか聞く。
柊｢何があったんだ？｣
貴｢被害って…言っていいのかなぁ…。
なんか次々と私の名前と、コンテストが優勝した時の写真が載せられるようになったり。｣
柊は、その画面を確認するがそれを見て少し安心する。
柊｢お前…愛されてるな。｣
その一面には
｢可愛すぎる｣
｢応援したい｣
｢絵がどストライク｣
｢A見守り隊になるわ｣
｢今後の活躍を期待しようぜ｣
など、たくさんのファンが集結していた。
貴｢なんか、不思議だけどね。｣
柊｢まぁ、なんかおかしな事があれば言えよ。｣
そう頭を撫でて言うと、ふわりと笑って頷くA。
柊｢じゃあ、そろそろ買い物にでも行くか。｣
貴｢行っちゃおー行っちゃおー！｣
私達はその後、夜になるまで買い物を続けた。
━━━━━━━━━━━━━━━
貴｢すっかり夜だねー。｣
柊｢あぁ、そうだなぁ。｣
私達は、静かな広い公園を歩いている。
貴｢そう言えば、あれから文香さんは？｣
柊｢文香は、あれから別の道へ進んでいってるよ。最近はたまに外に出れるくらいにはなったらしい。｣
貴｢…みんな、前に進んでるね。｣
柊｢だな。｣
すると、私はその場にしゃがむ。
貴｢いっ…。｣
柊｢大丈夫か？｣
苦しくなる。
貴｢う、うん。
まだ、軽い痛みだしそこまでじゃないから大丈夫だよ。｣
ちょっとびっくりしただけ。
と笑って立ち上がる。
柊｢俺も疲れたし、少し座るか。｣
そう言い、近くのベンチへと座る。
柊｢でも不思議だよな。｣
貴｢何が？｣
一颯は少し嬉しそうに話してくる。
柊｢二人でいると、一人でいる時に比べてあまり痛みを感じないんだよ。｣
貴｢まぁ、一颯が私の事好きだからね。｣
柊｢はいはい。
まぁ…そういうことなんだろうな。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雫(プロフ) - 15猫さん» 何度も読み返していただけてるとは...！ありがとうございます。これからも愛読して下さると嬉しいです。 (2021年4月5日 15時) (
レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
15猫(プロフ) - 素敵な作品で感動しました！何度も読み返してます！ (2021年4月2日 23時) (レス) id: 6f86e31a74 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ソーセージさん» こちらこそ、素敵な感想ありがとうございます！落ち着かない世の中ですが、体調に気を付けてお過ごしください！ (2020年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 蒼炎さん» 返信、かなり遅れてすみません！私の作品を読んでいただきありがとうございます！面白いという言葉、とても嬉しい限りです！これからも、最高の作品を作るのでよろしくお願いします！！ (2020年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
ソーセージ(プロフ) - すっごく面白かったし、感動しました！！！こんなに素敵な作品をありがとうございますっ！ (2020年4月5日 15時) (レス) id: 711a78eb36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雫 | 作成日時：2019年3月18日 22時
