先生、同じだね２ 【3年A組】

61 ページ14

貴方side


柊｢…お前らには話しておかなければならないことがある。
ここからは、想像力を掻き立てて聞いて欲しい。｣





その言葉を聞いて、私達はまっすぐと先生に視線を向けた。


柊｢いい顔だ 。
…俺には学生時代から付き合っていた恋人がいた。

彼女は武智先生の秘密を暴いたことでフェイク動画を流されて

それがきっかけで .. 精神が病んだ 。


俺はフェイク動画の

証拠を掴むために武智がいる魁皇高校にきた

だが 、学生時代に患っていた癌が再発して無駄に月日を過ごすことになっていた 。

そんな時景山のフェイク動画が投稿された。
俺は、景山に会って話を聞くことにした。

けど 、その帰り景山は武智を説得するために1人で学校を出て

…亡くなった。｣



すると、香帆は素直な意見を口にする。


宇｢じゃあ、やっぱり武智？｣

先生は首を横に振る。

柊｢あの日、武智は景山に会っていない
景山を殺した .. 本当の犯人は 。
景山は 、泣きながら俺に訴えたよ 私はもう私じゃない 。たすけて 、先生 って
結局 、俺は何もできなかった 景山の力になってやれなかった 。
あの日無理にでも一緒に行っていたら
こんな悲劇は起きなかったんじゃないかって自分を責めたよ 。でもその時は回避出来てもいずれこのままだと彼女は同じ目に遭ってたんじゃないかって。
そう思ったら 、俺は今回のことを

きちんと 、ちゃんと 、

明日の活力に帰るべきだと考えるべきだと

景山が亡くなった日 。

俺は 、余命を宣告されたんだ 。

景山よりも先に死ぬはずだった俺が…やるべき事はなんだったのか。
自問自答を続けた結果 、今回の計画に至った。｣


私よりも生きるはずだった、澪奈はもう戻ってこない。


私はそのことを再確認して、みんなと同じように涙を流した。



柊｢ 俺の目的は3つある
1つ目
武智大和に自分が犯した過ちを気づかせること
彼女たちが味わった苦痛を追体験させる事で罪の重さを知って欲しかった。
そして 、2つ目 。
これが立てこもった最大の理由だ 。

それは 。｣



それを言い終わると、先生は自分の左手にナイフを刺した。




貴｢！！｣

そこからは血がドクドクと溢れていって、止まる様子はない。


貴｢刺せば痛いし、血が出る。｣

当たり前のことだ。
でも、私達はその当たり前な事が日々起こっていて感覚が麻痺していた。

いずれ、その傷は消えると錯覚に陥るが
その傷は色褪せず、本人に残る。

62→←60

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す