ページ ページ31
貴方side
久｢すいません...言えなくて｡｣
東｢どういう事？いつから？
...黙ってちゃ分かんない!!｣
東海林は素直に疑問を六郎に
ぶつけた。
久｢ここでバイト募集してるからって編集室の人に｣
東｢最初から!?
ありえない！信じらんない！｣
久｢辞めたんですよ！ちゃんと辞めて...！｣
泣きながらそう訴える六郎の胸ぐらを
東海林が掴む。
東｢ずっとうちらに嘘ついてたの!!｣
その言葉を否定するかのように
“ちゃんと辞めて､UDIで働きたいって!!”
そう叫んだ。
東｢あんた最悪!!｣
私は、一言も話さずその状況を見る。
中｢菌の話は?話したのか､宍戸に｣
中堂さんも、少し残念に思っているような声を出す。
久｢宍戸が犯人だと思っ
て問い詰めたんです｡
その時言って...多分それが高瀬に｡
少しでも役に立てたらって...。｣
中｢役に立ったな...おかげで高瀬は逃げおおせる｡｣
久｢ごめんなさい...
中堂さんがずっと追ってた犯人なのに｡
東海林さん､ずっと信用してくれてたのに｡
UDIを神倉さんがずっと守って来たのに｡
ミコトさんがたくさん､たくさん助けてくれたのに｡｣
ミコトと東海林が涙を流す中私は静かに
資料の方へと視線を向けていた。
六｢Aさんがずっと支えてくれてたのに｣
貴｢そう…。｣
周りは私の対応に少し戸惑いを見せつつ
六郎に視線を戻した。
六｢ご迷惑をおかけして､本当にすいませんでした｡｣
UDIを去る彼の瞳は、どこか迷いのない色をしていた。
────────────────
中｢これを出せ｡
食中毒に見える記述は削除しておいた｡｣
夕焼けが綺麗な時間帯、中堂さんは
もう1つの資料を渡してきた。
貴｢事実を曲げろということ…？｣
中｢事実は高瀬が殺したという事だ｡
清華はいつか言ったな...不条理な死
殺人者を裁けない｡これ以上の不条理があるか。｣
ホワイトボードに拳を打ち付け
そのまま彼は部屋から出ていってしまった｡
貴｢そんなの、大学生の時の発言よ…。｣
私はらしくないが頭を抱え、万年筆のインクを取り替えた。
────────────────
翌朝、私はまた家に帰らずデスクの上で眠っていた。
誰もいない静かな部屋の中
私も少し焦っていたのかもしれない。
貴｢らしくない…。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雫(プロフ) - 明里香さん» すみません！ありがとうございます！ (2019年1月7日 18時) (
レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「久辺部」ではなく、「久部」です。 (2019年1月7日 8時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雫 | 作成日時：2018年8月23日 17時
