33 強制終了だ大阿呆 ページ34
「両者とも一歩も引きません!この勝負どうなるのでしょうか!?」
「次は裏山までどっちが早く着くか勝負!だよ!」
「いいでしょう!道中いくつ落とし穴があるでしょうね!」
顔を真っ赤にして火花を散らす二人に、一人の影が近づく。
その影は、近づいたかと思うと、両手に持っている飲み物を持ち上げ……
「おまえらいい加減にしろよ」
ばっちゃあああん!
二人の頭上からぶっかけた。
突然のことにより、目をシロクロとさせる久々知と伊作。
ユキを含む観客のくのたま忍たまたちも各々が「えっ」と声を漏らしていた。
「な、なんと!ここに来て高嶺先輩の乱入です!沢山のお米に魅了されていたのでは!?」
まるで濡れた犬のようにぶるぶると頭を振るう久々知と伊作。
飛び交う水飛沫にAが顔を顰めていると、二人はほぼ同時にAに話しかけた。
というより、怒鳴りつけたに近いかもしれない。
「Aちゃんなにするの!まさか兵助のことを庇って!?」
「誰がこんな豆腐も食わない偏食女なんかに庇われるか!こんなのに庇われるぐらいだったら舌噛み切ります!」
集中線でもつくんじゃないかと思うぐらいに騒ぎまくる二人を見て、Aはすんと溜息をつく。
そして、飲み物がすっからかんになった竹筒を隣にいた平滝夜叉丸に渡すと、ずかずかと二人の元へと歩み寄り、睨みを効かせた。
滝夜叉丸は「何故私……?」と困惑気味である。
「私があんな安物の米に惑わされるわけないでしょ、いい加減みっともなく騒ぐのやめろっていってんの。」
安物の米……?
その場にいた全員ががやがやと騒めきだす。
すると、きり丸から買い占めた弁当を平らげていた福富しんべヱが何かを思い出したようで「あ!」と声を漏らした。
「あの先輩!どこかで見たことあると思えば!」 「え!しんべヱ何か知ってるの!」
「うん!あの先輩、最高級の精米を販売してる高嶺屋の人だよ!」
そう、高嶺Aがこんなにも偏食癖が激しいのも、偏食先がおにぎりなのかも、全てが繋がった瞬間だった。
Aは小さい頃から自分の家の米が一番おいしいと思っており、てか実際おいしいし。
自分の家の米意外に美味しいもの……というか食事全般が存在しないと確信していたのだ。
まあ平たくいうなら豆腐信者ならぬ白米信者だったのである。
「忍術学園の飯もうちのなんだから感謝しろよな鼻糞ども。」
いや口わっる
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りにゃ(プロフ) - タジロさん» 強烈な焙烙火矢で無事爆破しました!ありがとうございます!!感謝しかないです! (2023年4月17日 23時) (レス) id: 5371188503 (このIDを非表示/違反報告)
しらたき - 浜くんありがとうございました!とても面白かったです!更新楽しみにしています。頑張ってください! (2023年4月17日 21時) (レス) @page48 id: ff521c0d45 (このIDを非表示/違反報告)
タジロ(プロフ) - あさん» ハチの惚気!書いててすごく楽しそうなやつきて私もテンション上がっております!是非書かせていただきますね!コメント、リクエストありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです〜! (2023年4月17日 8時) (レス) id: bcff2be84f (このIDを非表示/違反報告)
タジロ(プロフ) - りにゃさん» おおっと、尾浜くんですか……考えてなかった。ストーリー練りますので少々お時間いただきますね!コメント、リクエスト、更新の応援ありがとうございます!とりあえず爆発するように焙烙火矢投げときますね (2023年4月17日 8時) (レス) id: bcff2be84f (このIDを非表示/違反報告)
あ - めちゃくちゃ面白い作品どうもありがとうございます!!! (2023年4月17日 7時) (レス) @page44 id: bedbe88999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タジロ | 作成日時:2023年4月1日 2時