27 お母さん！？ ページ28
「善法寺先輩、よろしくお願いします。」
「善法寺先輩！」
「？……頭大丈夫ですか、善法寺先輩」
伊作の脳裏に浮かぶ、これまでの五年間、成長を見届けてきたAの姿が。
一年の頃は幼気で、舌ったらずだったが今と負けないぐらい口が悪くて生意気で。
二年の頃はいらない知識を得たのか口の悪さに加速がかかった上、偏食癖を見つけてそれはもう苦労した。
三年の頃になってようやく同性の友人が出来たようで、少しばかり雰囲気が柔らかくなり伊作も自分のことのように喜んだのを覚えている。
四年の頃は入学したての頃のような幼さは最早なく、キリッとした表情の美少女が出来上がり、口の悪さは勿論のこと、成績もぐんぐん伸びていた。
……そして今。
五年生である今、Aに恋人が出来た？
゛僕の確認も取らずに？゛
皆が思うだろう、お前に関係なくね？と。
否、伊作にとっては関係しかない、一世一代の大問題であった。
・
「そんなの絶対許さなーーーい！」
「？？？？？」
どんどんどん！
空では開戦を合図するであろう花火が二、三発なり、とある三人を囲って忍たまとくのたまの観覧席がわちゃわちゃと動き、賑やかに飲み物や食べ物を口にしている。
なんの騒ぎだ！？となにも聞いちゃいない山田伝蔵と土井半助がそこに駆け寄ると、待ってましたと言わんばかりにきり丸が飛び出してき、2枚の紙切れを取り出した。
「高嶺の花は誰の手に！善法寺伊作先輩対久々知兵助先輩の観覧券はいかがっすか〜！あひゃひゃ！」
席はほとんど埋まっちゃってるんで後ろ側っすけど〜！
あ、ご一緒に飲み物はどうですか？だなんて言い続けるきり丸を見て、もらった紙切れ……観覧券を見つめて数秒。
また面倒なことになった、と土井は胃を抑えた。
「あの、伊作先輩……僕にはなんのことだか……」
「！しらばっくれるつもりかい！？僕の大事な娘を確認もせずに奪っておいて！」
「娘？？？奪う？？？？？」
突然の状況に理解が追いついてない久々知を置いていき、伊作はビシッと指をさして物申す。
そんな伊作の腕の中には死ぬほど不満気なAがおり、久々知の脳を置いてけぼりにしていた。
「君！最近Aちゃんとお付き合いしているんだってね！この五年間成長を見守ってきた僕に確認も取らずに！」
「……はあ！？」
声を荒げて驚く久々知に、伊作はすんと息を吐く。
観覧席にいる人物全員が思った。
ママじゃん……と。
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りにゃ(プロフ) - タジロさん» 強烈な焙烙火矢で無事爆破しました！ありがとうございます！！感謝しかないです！ (2023年4月17日 23時) (
レス) id: 5371188503 (このIDを非表示/違反報告)
しらたき - 浜くんありがとうございました！とても面白かったです！更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page48 id: ff521c0d45 (このIDを非表示/違反報告)
タジロ(プロフ) - あさん» ハチの惚気！書いててすごく楽しそうなやつきて私もテンション上がっております！是非書かせていただきますね！コメント、リクエストありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです〜！ (2023年4月17日 8時) (レス) id: bcff2be84f (このIDを非表示/違反報告)
タジロ(プロフ) - りにゃさん» おおっと、尾浜くんですか……考えてなかった。ストーリー練りますので少々お時間いただきますね！コメント、リクエスト、更新の応援ありがとうございます！とりあえず爆発するように焙烙火矢投げときますね (2023年4月17日 8時) (レス) id: bcff2be84f (このIDを非表示/違反報告)
あ - めちゃくちゃ面白い作品どうもありがとうございます！！！ (2023年4月17日 7時) (レス) @page44 id: bedbe88999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タジロ | 作成日時：2023年4月1日 2時
