4章〜冬〜 ページ4
「熱っっ」
ひりひりする手にまた一つ絆創膏が増えてしまった。
明け方。生暖かいストーブの温風が足元をすり抜ける。その微笑むようなキッチンとは裏腹に小窓越しに見えた空は突き刺さるような冷気に包まれ雪が舞っていた。
コトコトと音をたてながらチョコレートの甘い香りが降り注ぐ。
現在時刻は5;24。
小鳥のさえずりも儘(まま)ならない頃。私は早起きをして、エプロンと三角巾の完全装備でキッチンに立っていた。静かなはずのキッチンも私の足音やタイマーの騒音で案外騒々しいものだった。
ー２月１４日。
今までとこれからを大きく揺さぶる一日。立ちはだかる緊張を勇気で押し切らなければならない。そんな真剣な日。
私は湯煎した生チョコをバットに流し込み冷蔵を開始した。
『今年、唯一作るのは本命チョコだけ。』
そう決めて気持ちをこのチョコだけに込めた。前はあぁやって言ってしまったけど自分の中にはまだ名残があって未達成な部分もあるから諦めたくなかった。
あの秋から時は流れ、私は貴方と言う大きな存在が無くなり、荒れ果てた心にぽつんと残されていた。
私は嫌われているかもしれない。いや、そうだとしても。私はまた振り向いて欲しい。
直接嫌いと言われた訳ではない。…だから、私はその小さな可能性に賭けたかった。
ーだけど。
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Hiruneko (灯 2nd )(プロフ) - こたぬき@ショタコンさん» ありがとうございます！！！頑張りますね！！ (2018年1月18日 12時) (
レス) id: bd4d841efc (このIDを非表示/違反報告)
こたぬき@ショタコン - 泣きました;。(ガチ) 続きが気になります！更新頑張ってください。応援してます！ (2018年1月17日 20時) (レス) id: 223f7ad38f (このIDを非表示/違反報告)
編集長 - 掲載おめでとう。この調子で頑張ろうね♪ (2016年4月11日 1時) (レス) id: 31d98c2b85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきたん - 切ない思いが伝わってきました！続きが気になります！ (2016年4月11日 1時) (レス) id: b518f3d28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：σιψυ x他2人 | 作成日時：2016年4月11日 0時
