俺じゃダメ…？ Six TONES&Prince (ページ39)

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No.36 ページ39

いつものように樹と登校して

教室に入ってみると

優太｢Aー！！！！！｣

｢うわっ、びっくりした…｣

いきなり抱きついてきた岸。

優太｢あのなっ、あのなっ！！｣

目がキラキラですよ、優太さん。

優太｢記憶戻ったんだよ…！｣

｢え？｣

一瞬耳をうたがった。

だって、ね？

優太｢Aのこと全部、思い出したんだよ！！
昔のことも！｣

｢う、そ…｣

膝の力が抜けて崩れ落ちる私を

支える優太。

優太｢おいっ、大丈夫か？｣

もっときつく抱きしめられる。

｢嬉しい…｣

なにもかも。

今なら嬉しい。

優太｢…おいっ…汗｣

｢ごめん、ね…泣｣

いつのまにか目から溢れ出す涙。

今まで溜まってたもの全部が

吐き出された気がした。

優太｢そんな、嫌だったか？
ごめんな…汗｣

そうじゃない、

違うんだよ。

でも声が出ない。

息すら苦しい、

｢うっ、う…｣

優太ホント鈍感。

何もわかってないね。

樹｢ちげぇよ。
嬉しいんだよ、A。
記憶戻って。｣

優太｢そう、なのか？｣

樹が私の言いたいことを言ってくれて

こくこくと頷いた。

優太｢そっか、よかった。
ありがと｣

昔の優太みたいで、

優太は優太なんだけど。

とてつもなく懐かしく感じた。