ストの紅一点は愛すより愛されたい３ (ページ23)

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どんなときも７人ページ23

樹side

今日はストチューブの撮影で車を使うんだけど
Aの様子がおかしい

慎「大丈夫？」

あ「あ、大丈夫大丈夫」

みんなAが車を極度に怖がってるのはなぜなのかはわかっている
美琴さんが亡くなったときの映像を警察から見せられたから

やめとけ、そう止めたけど本人は見るって聞かなくて
結局７人で見た、Aの手は震えていてその手を髙地がそっと握った

ジェ「無理、しないでよ？」

あ「うん」

ス「では、撮影始めます」

順調にオープニングを撮り終え車に乗るとき
Aがその場にしゃがみ込んでしまった

あ「っ、はあっ」

京「大丈夫、みんないるから」

あ「っ、」

そのきょもの声に安心したかのようにみえたが
そのとき偶然、少し向こうの方でドンッと鈍い音がした

それはAが立ち上がったときだった
Aが一瞬目を見開いた

見たくない事故、俺らも正直耐えられなかった
壊れていくAを見るのは

人が轢かれたという声、幸い車で人の姿は確認できなかったが
救急隊員の人の声だけははっきりと聞こえた

損傷が酷く、即死です、遠いはずなのにはっきりと聞こえてしまった
その声はAにも聞こえたのだろう

後ろでスタッフさんが撮影中止にしましょう、という声
中入ってください、そう建物内へと案内された

髙「A？吐きそ？」

口元を抑えていたAに髙地がそう聞けばコクッと頷く
俺はそばにあった袋をAの口元へと持っていった

北「全部、吐いちゃいな」

樹「やだったな、怖かったよな」

あ「っ、ごめっ」

髙「いーよ」

京「もう平気？」

あ「うん」

慎「俺らでも怖かったよな」

ジェ「うん」

あ「みんなが死ぬかと思った、」

そう消え入りそうな声で言ったA
その身体を優しく抱き寄せた