桃赤 ページ3
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親の敷いたレールを歩くだけの人生
正直 楽になれたら、なんて望むことは 何度もあった。
手首にカッターを当てて
刃の冷たさに驚いて 何度も床に落としては また拾って。
そんなことを繰り返してるうちに 恐怖心はどんどん積もっていった。
俺一人じゃ抱えきれない数の呪いに何度も圧し殺されては
踏み切りの前で立ち止まって
もういっそのこと、この電車に……なんて
くだらない妄想に捌けていた。
そんなことばかり頭の中でループしていたとき
さ「莉犬、!」
さとみくんは
俺を 日の当たるところに連れ出してくれた。
俺に生きる気力を与えてくれて
頑張ったら休んでも良い
疲れたら寝てもいいんだって
イチから体に叩き込んでくれた恩人。
さ「俺はどんな莉犬でも好きだから。」
莉「……うん、」
俺も、
君みたいな人に出会えてよかったって
莉「ほとほと思ってるからね、」
何故さとみくんが 俺に良くしてくれたのかは未だに疑問で
何度も考えては首をかしげたけど
莉「……、」
“そういう人”なんだって考えると
少し、楽になったんだ。
根から優しいひと。
俺と正反対だね。
でも
そんな俺も嫌いじゃないって
思えたのは君のおかげかも。
………………
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作者名:つづり | 作成日時:2020年2月25日 17時