六つの大罪 〜SixGuilty vs Answers〜

<強欲>の欲しい物　壱 ページ42

今から37年前､巨人の里



ある家族に男児が産まれた

名を“ジュン”と言った



家族は､母､姉の母子家庭｡父は人間同士の戦いでまもなく死んでいた



姉はドロールの舞を使い､一流の戦士だった



「ジュン､あんたもドロールの舞を使いなさい」
「…はい」





見よう見まねであっさり習得してしまった
彼はもともと完全音感であり､運動神経も良い｡そんな事もあり､幼少の時点で姉に勝っていた



だが､成長に連れてコンプレックスを抱き始めた



子供ながら大人の体格の一回りは大きく､少しふくよかな体型だった




「ジュン､だらしない身体をどうにかしなさい」
「……ごめんなさい」



ジュンは里の苺と動物性のクリームで作られた菓子が大好物だった



時は少し経ち､魔力の習得に力を入れていた




元々､大地との密接な関係にある巨人族｡闘争心と武力に関しては､他の種族の追随を許さなかった



主に“創造(ｸﾘｴｲｼｮﾝ)”や“大地(ｸﾞﾗﾝﾄﾞ)”といった魔力が目覚める中､ジュンに開花した魔力は


“金属(ﾒﾀﾙ)”


あらゆる物を金属に変え､質量･体積の増量｡また､物体の形成を自由化｡一定の温度を超える熱以外は全てを粉砕する無敵の魔力



「これが､僕の魔力…!」


ジュンは岩を鋼に変え､槍の様な形に｡



鋼の槍は岩石を破壊し､粉々になった

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