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携帯を握り締めて
控え室を飛び出して
行き先なんてない。
用があるなんて嘘。
よくもまあ
あんなことをしておいて
抜け抜けと
メイクして。なんて言えるものだと
半分、焦り
半分、怒る
そんな微妙な気持ちも
私の行き先も
当てが無い。
たどり着いたのは自動販売機の前の
黒い背もたれの無いソファー。
買う気なんてさらさらないのに
ポケーっと並んだジュースたちを眺めていたら
「A」
背中にぶつかった
控えめに私を呼ぶ声。
「ああ、ドンヘ。」
振り返れば
眉毛を八の字にして
私の後ろに、ドンヘが立っていた。
「ねえ。なにしてんの?」
困ったような顔のまま
気付いた私を見ると、隣にドカッと腰掛けた。
「ジュース買うの?俺も喉、渇いてんだよね〜」
「ごめん、さいふ私持ってないよ。」
「え?!なんでここにいるの?!」
悪かったね。
どこも行くところがなかったんだもの。
そんな気持ちを知っていたのか
「このごろ変だよ。A。」
唐突に言ったドンヘ。
「シウォンと喧嘩でも、してるの?」
ドクン。
大きく跳ね上がる心臓。
一番聞かれたくない事。
「喧嘩なんて...してないよ。」
「じゃあ、なんで今日は話さないの?いつも、楽しそうに喋ってるのに。」
私の言葉を待ち構えていたかのように
すぐに飛び出したドンヘの言葉。
他の人でも分かるくらい
私の行動はあからさまだったのか。
子供みたいだね。
「はぁ。」
思わず漏れる溜息。
ドンヘのほうに身体を向けて
大きな黒い目を見つめて
「大丈夫。私がいけないの。」
そう言った。
自分にも言い聞かせるように。
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ちぇ。(プロフ) - wakaさん» コメントありがとうございます^^どこかでその後の二人書いてみようと思います:) (2016年11月22日 9時) (レス) id: e14a95ed00 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - お疲れ様です。おわっちゃった・・・・いつかその後を書いてくれたら嬉しいなぁ。次回作待ってます!! (2016年11月21日 18時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇ。 | 作成日時:2015年1月17日 2時