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「Aー、一寸手伝ってくれない?」

「はいよ」

 あの二人組と出会って一週間。元住んでいた家は無事見付かり、今は普通に学校生活を楽しんでいる。
 最初こそ色々と混乱していたが、学校迄の道程も友人の家迄の道程も其程変わってはいなかったので直ぐに慣れた。

「あ、そうそう。一寸前さ、A可笑しかったじゃん? あれ何だったの?」

 不図したとき、そんな事を問い掛けられた。

「え? あー、えっとー何?」

 答えに困っていれば友人は思い付いたように手を打つ。

「判った! 恋だ!」

「ちゃうわ阿呆」

 透かさず否定するが其れが裏目に出たようで、友人はにやあと悪戯っ子の様に口の端を持ち上げるのだ。

「へー、そっかぁ。遂にAにも春が来たかあ。そっかそっかぁ」

「バリバリ秋じゃし、巫山戯んとってよ」

「まったまたぁ、照れてんの? かあいーねえ」

「黙っちょれ」

 否定してもからかってくる友人に少々腹を立てる。
 まあ、家族や友人が居て正直安心もしたのだ。私一人こんな得たいの知れない世界に取り残されるなんて、不安でしかないからな。

「……A?」

 よく人には「一人でも全然生きていけそうだよね」なんて言われるが、そんなことはない。私は周りに沢山の人が居るからこそ強くいれるのだ。一人でなど、迚じゃないが生きていけん。

「Aー」

 そういう面では本当に感謝している。勿論不満な面は沢山あるのだが。

「Aちゃーん。………やっぱ恋?」

「其の眉間ぶち抜いちゃるけ」

「怖っ!」

 此の平和な日常が、いつまでも続けば良いと思う。


オリーブ平和、知恵

さん_ワタシハシッテイル→←いち



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作者名: | 作成日時:2018年10月23日 15時

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