10 願望 ページ10
「ゴシュジンサマからのお願い！」
まだ主人という感覚に慣れていないらしく、少し恥ずかしそうにそう言った。
「ね？」
「・・・承知致しました」
「やった！」
途端に顔を顔をほころばせる。
この顔を歪ませずに済んで良かったと思う。
とはいえ、私は服は脱がない。
ただ靴と靴下を脱ぎ背中を流すだけだ。
「ナミ様、失礼して、よろしいでしょうか」
「うん、入って」
中に入るとナミ様は脇の下から太ももあたりまで、長いバスタオルを巻き付けていた。
私が入るのを見ると、少し驚いたように目を見張る。
「あれ？Aは脱がないの？」
「私(わたくし)は僭越ながら、ナミ様の背中をお流しさせていただきます」
そういうとキョトンとしたように首をかしげる。
何か分からない事があるのだろうか。
「へぇ、そう？でも、私が脱いでるんだからあなたも脱ぐべきじゃない？」
納得がいかないらしい。
少し意地悪な笑みを浮かべ、こちらを見ている
「お気に召しませんか？」
「うん」
あまりに素直に認めるもので、少し面食らってしまった。
「承知致しました」
一度脱衣所へ戻ると、風呂場から声が聞こえてきた。
「あ、でもタオルは巻いてね」
「承知致しました」
同じ言葉を繰り返し、身にまとっている服を一枚一枚脱ぐ。
全て脱ぎ終わり、タオルを巻いて風呂場のドアの前に立った。
ナミ様が入る事を了承すると少しずつドアを開く。
「あぁ やっぱり」
風呂場に入ると、やっと納得したように首を縦に小さく振る。
何が？ とは安易に聞けなくて、少し戸惑っていると。
ゆっくりと口を開き、やっと分かったという風にこう言った。
「Aって女だったのね」
そこでやっと自分も納得した。
執事という職業柄女らしい格好は出来ない。
とはいえ、現代のワノ国では、スーツを着るのが主流となっている。
燕尾服で主人と共に出歩いては、主人とがとても目立ってしまう。
執事を雇う人＝裕福というイメージが主流だ
だが実際、私達執事を雇う人々は事実上裕福層になっているのだろう。
要約すると、燕尾服を着て主人の周りを歩いていると
裕福層と思われて誘拐、窃盗、恐喝の恐れがある。
なので燕尾服は着ない。
そのため、主人一行が出掛ける時も目を引く高級車ではなく、ファミリーカーが普通だ。
だが、今は海賊時代。
燕尾服着ていても、なんら不自然ではない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
米(プロフ) - 13でブルック様がブルック歳になっているかと…自分の好みのどストライクです。続編の方の更新、頑張って下さい(o^^o) (2018年5月24日 20時) (
レス) id: a291579951 (このIDを非表示/違反報告)
蛇心仏口 - 水。様 本当ですか！ありがとうございます！ (2018年4月3日 2時) (レス) id: d4848b5142 (このIDを非表示/違反報告)
水｡(プロフ) - 世界観がとても好みです!!続編も読ませていただきます!! (2018年4月1日 21時) (レス) id: 64a8d367a4 (このIDを非表示/違反報告)
蛇心仏口 - あ”・・・失礼しました・・・これからは誤字脱字などないようにします。優しく教えて下さってありがとうございます！！ (2018年3月7日 12時) (レス) id: 3d96a50914 (このIDを非表示/違反報告)
ナトリウム - すみません!!もう一個ありました。異変 の6行目の風呂が×2になってます!!! (2018年3月4日 18時) (レス) id: 8d1370d2de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛇心仏口 | 作成日時：2017年11月22日 20時
