【イナGO】お嬢様のお気の召すままに。‐西野空編‐【天河原】６ (ページ2)

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第百五十二話ページ2

西「ぐーやの作る薬は、市販のヤツや病院で出される物よりも効果あってさあ。僕の薬は全部ぐーやが作ってくれるんだぁ…だって、他所の人間に毒を盛られたら大変でしょ？それこそ、抗争事件になっちゃうわけだし。…意味、わかる？」

「いいえ…わからない、わ」

西「もお、つまりさ！ぐーやと一緒に作るご飯かぐーやの作った薬しか口にしない僕が死んだら確実にぐーやが疑われちゃうでしょ？今までならまだしも、僕は組の頭になっちゃったわけだし…そうなったら抗争事件が起きて、家だけじゃなくこの辺りが戦争になっちゃう…僕だけじゃなく、関係ない人まで巻き込むことになっちゃうんだよ。つまり、ぐーやはもう僕を死に至らせる程の毒を盛る事が出来ないんだよぉ。ふふ。ま、毒なんかで死んだりしないんだけどさー？」

少し早口で、楽しそうに西野空は言ってのけた。まるで子供みたいに笑って私を見下ろしてくる。頬に添えられた手が冷たい。まるで、人形みたいだった。ぬくもりなんて全く感じられない。

西「ぐーやも馬鹿だよねぇ、僕にしか毒を盛らないなんて…ほんと。僕の事大好きな従者をもって困っちゃうなぁ」

「あら？困ってるようには見えないのだけど…」

西「ふふふ…困ってるよぉ？好きな者にしか手を出さないなんて、ぐーやも、僕も…狂ってる」

「自覚がおありのようで何よりだわ」

西「怖い癖に強がって、天野さんも難義だね。そんな所も大好きなんだけど」

そう言って目を閉じた西野空の唇が優しく私の唇に触れる。数週間ぶりの西野空の感触に、少し驚く。何度も触れるようなキスや、下唇をくわえるようなキスをしたかと思えば、舌で舐めあげられる。

今までとは違うキスに少し体が強張ってしまっても、西野空はお構いなしに唇の間を割って舌を捻じ込んできた。