第百二十話 ページ30
「キス…って、え？」
西「あはは！やっぱりおじょーさまは旦那様からなぁんにも教えられてないんだぁ
まぁ、知ってたら絶対にキスなんてさせてくれないよねぇ」
頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。
パパはいつだって、私に大事なことは教えてくれない。
「どうして…突然…」
声が震えてしまう
婚約者なんて要らないってずっと思っていたのに。
いざ本当にいなくなるんだと思うと何故か心に穴が開いたような感覚に陥った
西「しょ〜〜〜じきさぁ
飽きちゃったんだよねぇ、こーゆーの。
僕たちまだ中学生だし、どっちかっていうと遊びたい盛りなんだよねぇ」
「なによ、それ…
それって…っ」
西「ま、そーゆー事だからさ
じゃ、僕は部屋に戻って荷造りするねぇ」
喜「待て！西野空！」
固まってしまった私を横目に西野空はさっさと部屋へ戻って行ってしまった
喜多も西野空を追いかけて出て行ってしまう。
私はそれ以上何も言えずに、俯くしか出来なかった
嬉しい事、なのに。
どうしてこんなにも嫌だと思ってしまうんだろう
今まで私に見せていた西野空の笑顔は、偽物…？
隼「A…」
英聖が心配そうに私の傍に寄り、そっと頭を撫でる。
顔を上げると、悲しそうな英聖の顔があった。
…そんな顔で見ないでよ。
なんだか、私が惨めみたいじゃない。
「あら、英聖。私が悲しんでると思ったのかしら？
せいせいするわよ。あんたたちも飽きたならさっさと居なくなってくれて構わないわよ」
隼「Aッ！」
私の名前を呼んで引き留めようとする英聖の手を叩いて自分の部屋に戻る。
これでいいんだわ
一人うるさいのが居なくなるんだもの。好都合じゃない。
なのに。
「どうして、涙が出ちゃうのかしら…」
こんなにも悲しいのは、どうしてなの…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
汰ると(プロフ) - 猫宮さん» コメントありがとうございます！励みになります♪ (2019年11月20日 23時) (
レス) id: d73a4e59a0 (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - 続き待ってます！ああ天河原×京介最高！ (2019年11月11日 8時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
汰ると(プロフ) - 加奈さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてうれしいです♪天河原とても良きですよ…！これからもよろしくお願いします！ (2019年10月28日 1時) (レス) id: d73a4e59a0 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 初コメ失礼します！このシリーズめっちゃ好きです…！天河原良いですよね…！そしてとても面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 18時) (レス) id: d8e9a8e7ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：汰ると | 作成日時：2019年9月27日 0時
