【イナGO】お嬢様のお気の召すままに。‐隼総編‐【天河原】３ (ページ9)

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第六十九話ページ9

隼「別に、執着なんてしてねぇよ」

少し間を空けて呟くように言う隼総。

その姿を見て、光良はくっくっと喉を鳴らすように笑った。

光「こいつってば素直になんないだろ？

まぁ、母親があんなんじゃ女に心なんて開かな…」

隼総「黙れ」

バンッとガラスのコップをテーブルに叩きつけて、今まで聞いたことのない低い声で話す隼総が光良を睨む。

光良もやばい、という顔をして黙った。

周りのお客さんも不思議そうな顔をしてこっちを見る。

それでも隼総はテーブルに叩きつけたコップを握りしめて、携帯をいじる。

先週、京介と隼総が言い合っていた事を思い出す。

その後、母親の事をちょっと口にしていた隼総。

隼総の女嫌いは、母親が関係している…？

下を向いて、思い出しながら考える。

私の知らない事だから、考えても答えなんて出てこないけれど。

隼「何考えこんでんだよ」

すっかり敬語を崩した隼総が私のおでこを小突きながらため息交じりに言う。

「許可なく触らないで。」

小突かれたおでこを抑える。

携帯をいじりっぱなしの隼総が、ふと私に携帯画面を見せてきた。

画面を見ると、『剣城』の文字。

隼「連絡したからあいつ迎えに来るぞ」

「えっ」

慌ててポシェットから携帯を取り出すと、現在進行形で京介から電話がかかってきていた。

切れてもすぐかかってくる。

「あんた…」

携帯を握りしめながら隼総を睨むと、彼は私の顔を見てニッと笑った。