【イナGO】お嬢様のお気の召すままに。‐隼総編‐【天河原】３ (ページ7)

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第六十七話ページ7

「それで、隼総のことが気になってつけてきたの？」

私がつけてきていた理由を聞いてひゃはは、と笑う女の子

長い髪を手で耳にかける姿は、お姉さんみたい。

いまだに誰だか思い出せなくて、女の子を凝視する。

その視線に気づいた女の子は、私の制服についたシミを取る隼総に声をかけた。

「隼総ー、それ終わったから髪結ってくれない？

今日はなんか上手くまとまんないんだよねー、それに天野サンも俺の事まだ分かんないみたいだし」

隼「はいはい、ちょっと待ってろ」

自分の髪をいじりながら隼総の頭を触って言う。

一人称が俺、と言う事は男の子なのかもしれない。

ずっと女の子と思っていたから少し驚いてむせた。

隼「おいおい、大丈夫か？」

シミを取り終わった隼総がむせて口からこぼれた水をハンカチで拭きながら呆れる。

制服についていたシミがあったところを見ると、綺麗に取れていた。

流石隼総。

「平気よ、ありがとう」

お礼を言うと、隼総は呆れた顔のまま、私の前に座っている人の後ろに立つ。

床に置いていた鞄から櫛とゴムを取り出して、手際よく髪を結っていく。

耳の上辺りで纏められる髪を見て、ハッと気づいた。

見覚えのあるシニヨンヘアーで、やっと誰か分かった。

「みつ、よし…」

光「おっ、やっと気づいた？」

ニッといたずらっぽく笑う光良。

フィフスセクターに居た、シードの一人だった。