聞いて、五年生。【RKRN】

聞いて、五年生。１０７ ページ12

『〜、死ぬかと思った』
「なににですか？」

『っ、曲者！！』


ここまで来たのは良いがまた変な人に会ってしまった。
確かあの忍び装束の色はタソガレドキ？

若い男の人。

「顔赤いですけど何かありました？私でよければ聞きますけど」
『･･････私、曲者に相談するほど馬鹿じゃないので』
「酷いなぁ･･････」


ふざけてるのかと思った。
いやふざけてるだろ。

Aは曲者を要注意人物として警戒することにした。


『ていうか何呑気に曲者のくせに忍術学園の塀にいるんですか』

「･･････組頭を待ってるんですけど一向に帰ってこなくて」


雑渡昆奈門さん、危険中の危険人物として見ているひとり。
その部下だったら尚更この人も危険。




でも、




『暇ですし、やっぱり話しましょう』
「えっ？いいんですか？」



雑渡さんに聞きたいことがあった。
この人と待っていれば会えるだろうし。



―――――――――――――


「Aさんて言うんですね！いい名前ですね！」

『･･････私の方が年下みたいですし敬語はいりません。尊奈門さん』

「え、そう？」


塀に二人昇り、不自然な距離を開け座っている。
話すとはいえ所詮曲者。

しかしのところ正直言うとかなりこの人フレンドリーだ。
そしてどことなく勘右衛門に似ていて初対面じゃない気がする。



『尊奈門さんはトラウマとかあります？』
「トラウマ？」

聞いた言葉を繰り返した。
うーん、と考え込んだ後「あったあった」とこちらを見た。


　

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