陽だまりの５人組 (ページ20)

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「意外とここでも星、見えるんだね」

そう、隣で言うニノの横顔は、やっぱり綺麗。
いつも水分量を多く含む薄茶色の瞳と、スッと通る鼻筋。

どことなく漂う儚さに、少しだけ悲しくなる。

俺がさ、半分強制的にニノをこの部に勧誘したのはさ、
この景色を教えたかったからなんだよ。

空、見上げてたらちょっとは吹っ切れるんじゃないかなって思ったから。

俺も、そうだったからさ。

全部翔ちゃんのお陰なんだけどね。

一年生のまだ最初の頃。
中学校の時とは明らかレベルの違う高校に進学した俺は結構戸惑っていた。
周りは、塾の頃からの知り合い同士なんかで固まり始めてたし。
俺らしくないかもしれないけど、ちょっと皆に話し掛けるのを躊躇ってたんだ。

そしたら。

「相葉くん、だよね？」

向こうから声を掛けてくれた人がいて。

パッと顔を上げるとくりくりした目に、ぱっちりの二重瞼と、ぽてっとして唇の、可愛らしい顔があった。

正直、びっくりしたよ。

櫻井翔。
入学式で新入生代表の挨拶をしてた、俺とは関係なさそうな人が目の前にいたんだもん。

でも、未だに謎のままなんだけど、あのとき翔ちゃんは何で俺に話し掛けたんだろう？
クラスは同じだったけど席近かった訳でもないし、他にも色んなやつらが翔ちゃんの周りには集まってたし。