side N ページ18
「あーそう言えば、今月まだだったねぇ」
「智くん、天体観測のお知らせするときだけはちゃんと部長らしくなるよね」
あの。
「あっそうか。ニノと松潤はまだ一回もやってないのか。じゃあ翔くん、説明頼んだー」
いや、そこは部長が説明しなさいよ。
まあ要するに。
非常に頼りになる我らが撫で肩さんによると。
なんやかんや自由にやってるウチの部だけど、流石に活動しなさすぎると生徒会からのお咎めがあるということで。
一応、月に一回天体観測dayと称して学校に泊まりで天体観測をしている、らしい。
「まあここら辺は結構明るいからねー、小さいのとか、満天の星空とか、そういうのは夏期合宿まで我慢してねー」
夏期合宿、あるんかい。
んで、大野さんのことだからまあ言っても仕方ないのは分かってるけど相変わらず急だな！
「どうせニノちゃん暇でしょ〜？」
うるさい相ばか。
こっちは連日世界と闘ってるんだよ。
ま、いっか。
ゲーム持って来ればいいんだし。
「だからー、明日は学校終わったら一旦家に帰ってー、風呂入ってご飯食べたら寝袋持って部室集合ねー」
うち、寝袋なんてあったっけな……？
なんて考えながら家に帰り、物置を漁ってどうにか寝袋を発掘したのが昨日。
そして今日、部室に集合して現在に至る。
よくこんなに行き当たりばったりで上手くいくよね。
否、多分ピンチに強いのか、うん。
「ねえ、ちょっとこの部屋寒くない？」
俺もそう思う。
「そー？まあ、まだ春だしね。夜はちょっと冷えるかも」
そう言うと、部室の奥にある棚をごそごそと探り始める大野さん。
「ほれっ」
こっちに投げてきたのは、ふわっふわのブランケット。
何でもあるなここ。
「よっし、じゃあ屋上行くかー」
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作者名：yellowstorm | 作成日時：2019年7月12日 19時
