親友 ページ4
教室に着けば中にはまだ誰もいなかった。
室内に入れば感じる違和感。
暖房ついて無いじゃん！
期待が高かった分余計に寒い。
西岡先生め、つけといて欲しかった。
とりあえず日誌を書いて気を紛らわそう。
寒いと考えるから寒くなるんだ。
そんな思いで日誌の空欄を埋める。
まだ誰も来てないから欠席とか分からないし、書けるところが少ないな。
突然、勢いよく扉が開いた。
「お、Aだ。おはよーさん！」
「おはよー、
こいつ朝からうるさいな。
サッカー部所属のいかにもな外見をして、中身もまあうるさい。しかも、背が高いため隣りに並べられると成長期前ですというような控えめな俺の身長がさらに目立つ。
「てか、Aがこんな時間にいるなんて珍しいな。明日は槍が降るのか？」
「いや、日直だし。腹立つなお前。」
「めんご！」
謝る気ゼロの謝罪にイラついたので、寄ってきた弥勒の脛を蹴る。
「痛い！」なんて抗議の声は無視するのが１番だ。
「はぁー、そう拗ねんなってAちゃん。親友のお茶目な１面ぐらい暖かく見守れよ。」
「お茶目……」
「そう、お茶目！それに、そんなんだから顔は悪く無いのに彼女が出来ないんだぜ。もっと寛容な心を持てよ。」
「余計なお世話だ、撫でようとすんな、
この野郎。」
頭を撫でくりまわそうとする手を叩き落とす。
「いやー、丁度いいサイズなもんで。」
「おい、ふざけんな。」
誰がチビだ。巨人め。
「はっ！もしかして、その小さい身長のせいでモテないんじゃないか。気づいちゃった、俺冴えてるわー。」
「俺は小さくない、周りがデカいだけだ。それに、まだ成長期だから伸びるし。」
「そうだな、うんうん。」と言ってニヤニヤしている彼には脛に本日２回目のキックをプレゼントした。
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作者名：堕喰 佩瑠 | 作成日時：2020年1月24日 1時
