98話 ページ50
ホリデー初日、帰省するリドルさんに着いて来た私は、改めてリドルさんの洋服を見て幾度目かの満足をする。リドルさんが着ているのはデートで私が買ってあげた洋服で、私が着ているのはリドルさんに買ってもらった洋服で、触れなくてもずっといちゃいちゃしている気がする。最高だ。
「ねえリドルさん、このまま帰省しないで、遠くへ行っちゃいましょうよ。2人でだったら、どこへでもいけます」
「……」
リドルさんは返事をしてくれなかった。
昼頃に出たのに、色々乗り継いで、着いたのは結局夕方になってからだった。
リドルさんが私の腰に手を回す。寒いのかしらとリドルさんを伺うと、リドルさんは「いつか、キミ、夕焼けって寂しくなると言ってたから」と言った。
私は彼にキスをした。角度を変えて、彼を抱きしめて、噛み付く様に、愛しています。愛しています。愛しています。
「ねえ、愛しています」
口でも言った。
「そんなに不安にならないで。ボクもキミを、愛している」
ああ、彼から貰ったその言葉がここまで心に響かなかったのは、初めてだった。
せめて信じさせて欲しかった。
リドルさんの家は薔薇の生垣に包まれていた。
それはまるで、ローズハート家の本質を表しているかの様だ、と思った。
ああ。
体裁を整える為彼と離した手が、夕焼けが、寂しい。
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特になし(プロフ) - らぱさん» BIG LOVE TO YOU…💕💗 (2021年10月9日 17時) (
レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
らぱ(プロフ) - この小説の雰囲気や世界観が大好きです。心情の表し方も儚くて綺麗で、私の拙い語彙では言い表せないくらい素敵な作品だと思いました。他の作品も拝見させて頂きましたが、作者様の文才に驚かされるばかりで本当に尊敬します。とても面白かったです！ (2021年10月9日 17時) (レス) @page2 id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
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