諸伏妹は今日も潜入中 ２

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「灰原…どうだ？あの人から何か感じるか？」

わざわざ安室さんがいない日を選んで、灰原を無理やりポアロに連れて来た
目的はやはりAさん

今、彼女について手にしている情報は３つ
公安の人間であること。
元は警視庁捜査一課の警部補であったこと。
長野県警の諸伏高明警部の妹であること。

安室さんの幼馴染というのは、信憑性に欠けている
『安室透』は潜入の為に存在する人間であり、そんな人物に幼馴染などいるはずがない。

しかし、今確かめなくてはいけないことは、彼女と黒ずくめの組織の繋がり

「あの人から彼らの匂いはしないわ」

…じゃあ、Aさんは黒ずくめには関係無いのか？

「ねぇAさん！好きなお酒とかある？」

「残念…！私下戸なの。お酒はあまり呑まないのよ…勿論ウイスキーも、ね」

彼女は質問の意図に気付いているんだろう。
安室さんの組織でのコードネームは『バーボン』
バーボンはウイスキーの一種だ
赤井さんのコードネームも確かウイスキーだったっけ…

「ああ、でも…スコッチケーキは好きよ…」

パウンドケーキにスコッチウイスキーを入れて風味づけしたもの…だったかな？

「Aさんってお菓子も作れるの？」

「ええ…今度作ってあげようか？度数を下げれば子供でも食べられるから」

ここは素直に礼を言っておく
彼女は『スコッチ』を強調した
…組織にスコッチなんていたか？
まだ俺が知らない構成員かもしれない。

灰原と話し合うためにも早めに会計を済ませるとAさんが灰原を呼び止めた

「ねぇ哀ちゃん……あなた年の離れたお姉さんがいたりする？」

「…さぁ…どうかしら」

「そっか…哀ちゃんもたまに遊びに来てよ」

「私あまり外食は好きじゃないの」

「…無理にとは言わないわ」

…どうした？Aさんは何を考えてる？

「ちょっと昔の知り合いに重ねちゃっただけだから…」

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