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昨日許容量の倍以上呑んだせいか、はたまた慣れないベッドで寝たせいか身体中が痛い
なんだか変に騒がしいような…
重いまぶたをやっとのことで押し上げると、あまりの眩しさに目が眩む
しかも零の部屋のベッドで寝ていたはずなのに、やけに揺れる椅子に座っている
「…は?」
「あ、起きましたか」
「いや…ちょ、風見…?」
紙コップを傾けながら穏やかな笑みを向けてくる部下に目眩がする
「なんで新幹線に乗ってるの?仕事は?!」
「落ち着いてくださいAさん…とりあえずこれ、読んでください」
手渡された紙切れを開くと、そこには見慣れた字が規則正しく並んでいた
『諸伏A、長野県への視察を命じる。期限は1週間。その間の他の業務は風見に引き継ぎ済み』
訳の分からない文に寝起きの頭が悲鳴を上げている
…ちょっと待って。確かに仕事したくないとは言ったけど…
ていうか私、新幹線まで風見に担がれたの???
「という訳なので。1週間長野で休養してください…自分が言うのもアレですけど最近のAさんは酷い顔をしてますよ」
「風見にそれを言われちゃったらもう終わりかも…」
濃い隈と共存している風見はにっこりと口角を上げた
そして、手際よくボストンバックを押し付けてくる
「降谷さんがこれを持って行けと」
「多分日用品だろうね。こんなの渡されてもどこで一週間過ごせばいいの…?」
「ご実家に行かれたらどうですか?諸伏が前に『妹が長野に帰ってくれない』と嘆いていました」
「……そう、だね。そうしよう」
私が笑いかけたのを確認したのか、風見は座席を立った
ちょうど停車した車体が軽く揺れる
「では、自分はここで」
「分かった。仕事押し付けちゃってごめんね?」
頷きと共にメガネのフレームを押し上げた風見の背広は、駅のホームへと降り立っていった
…さて、長野に行って…どうしよう?
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まめもやし - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。すぐに修正致します…! (6月18日 9時) (レス) @page39 id: b87ba5c8ac (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - カフェ定員じゃなくて、カフェ店員です。 (6月16日 7時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
まめもやし(プロフ) - ふゆなさん» 遅くなってすみません…ありがとうございます! (2022年6月4日 22時) (レス) @page6 id: b87ba5c8ac (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 続編おめでとうございます!!、 (2022年5月30日 7時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめもやし | 作成日時:2022年5月28日 19時