諸伏妹は今日も潜入中 ２

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昨晩から何度か聞いたコードネーム・スコッチ。
俺は会ったことは無いし、もうこの世から去っているであろう男。
Aさんの兄であり、公安のノックだったと見ていいだろう

今はそれよりAさん本人だ
いつ世良に襲いかかるか分からないくらいの気迫と時折見せる悲しげな表情。
彼女が崩れてしまいそうで心配になる

「そのスコッチって人、似てる気がするんだよね…諸伏さん、アンタにな！」

「…その人は男性だったんでしょう？他人の空似ってよく言うじゃない」

世良はAさんを疑っている
昨日聞いた話だと、世良が赤井さんたちに会ったのは任務の途中。
ギターケースはライフルケースのカモフラージュだろう
コイツはそれに勘付いているんだろうか…？

「それより、遅くなっちゃったけどみんなお家は大丈夫なの？」

「うちはお父さんに連絡を入れたから大丈夫です…Aさんこそ、こんな遅くまで引き止めちゃってすみません」

「気にしないで蘭さん。むしろ君たちを家まで連れて帰るくらいしないと毛利探偵に怒られちゃうわ」

「やった、Aさんがいれば安心ね！世良ちゃん時間平気？」

「ボクも問題ないよ。ホテル暮らしだし」

世良が匿っている領域外の妹を思い出してゲッソリとした気分になる
…コイツは本当に謎が多すぎる…

「でも、コナンくんは疲れたみたいだな！」

「じゃあもうお開きにしよっか」

「うん、僕お腹すいた！」

Aさんの謎は解き明かせば解き明かすほど、彼女の表情が曇る
安室さんの関係者という時点で辛い過去が多いんだろうけど、彼女も１人の人間。
どうか、Aさんが報われますように…

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