諸伏妹は今日も潜入中 ２

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今日は朝から頭痛が酷い。
小さい頃から頭痛が頻繁に起こっていた
医者に記憶喪失によるものだと診断されている

…こういう日は何かが起こる…
ヒロ兄が死んだ時も、同期の皆が死んだ時も頭痛がした
怖くなって朝から会っていない零に電話をかけたら、心配するなと笑われた
もちろんタカ兄にも…なんなら風見にも言われてしまった

「Aさん？どうしました？」

ぼーっとしていたのがバレたのか梓さんの手が視界を掠める

「っ、あ…あぁ…大丈夫ですよ」

「探偵さんの助手がそんなにぼーっとしてていいんですか…？体調管理は大事ですよ！」

恐らくマスターか透に言われたのであろう風邪に関する豆知識を披露する彼女の姿を見ていたら、頭痛も少し和らいだ

「あ、そうそう！今日コナンくんたちが来るって言ってましたよ！」

「じゃあ新作のケーキを試食してもらわないと！」

彼らが来る前にプチ試食会の準備をする
頭痛なんかに負けてる暇は無いね！

しばらくすると、ドアベルが高らかに鳴った

「腹減ったー！諸伏の姉ちゃんケーキ食わせてくれるんだろ？」

ガキ大将という言葉がお似合いの元太くんを筆頭に少年探偵団の面々が入ってきた
その中に知らない顔が１つ

「…あら？あなたははじめまして…よね？」

「……ええ、灰原哀よ」

「…諸伏Aです。よろしくね？」

こくりと頷いた彼女の声色にとうの昔に他界してしまった知り合いの姿が重なる
髪色も、瞳の色も違う。
でも…この子はどこかが似ている
私の唯一の女友達・宮野明美…
そして、その母・エレーナ先生に…

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