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「ここがヒロが使っていた部屋だ。個人を特定されるものでなければ持って行ってもらって構わない」
兄が亡くなったことを知った次の日
兄が使っていた部屋に連れて行ってもらった
物の少ない部屋に目立つのは、一本のアコースティックギター
「…あれずっと持ってたんだ」
「…みたいだな…たまに弾いていたよ」
ギターを手にとって、馴染みの深いワンフレーズを奏でる
「やっぱ私にはギター向いてないや…」
辿々しいその音色は兄のものとは程遠い
私はヒロ兄とセッションがしたくて、ベースをやっていた
似た楽器でも中身は全然違って難しい
ヒロ兄はどちらも弾きこなしていたけど…
「これは零が持っててよ」
「え…？」
「私物が増えて困るならいいけど。弾ける人が持ってた方がいいと思うの」
ずしりと重いギターを零の腕に押し付ける
ツカツカと歩み寄ったクローゼットを開くと、水色のパーカーが大量に入っていた
「…ヒロ兄って服のセンス微妙だったっけ？」
「勝負服だって言ってたぞ」
勝負服、か…
どこまでも優しいヒロ兄があんな組織に潜入するなんて胃に穴が開く思いだったんじゃ…
「……もう……だな」
「え？なんか言った？」
ぼそ、と呟かれた言葉を聞き逃して聞き返すけど答えは返ってこない
「いや、なんでもないよ」
零の背中がこちらを向き、部屋にポツリと置いてあった紙袋を漁り始めた
振り返った彼の手中にあるものは一丁の拳銃
「ヒロは組織ではスナイパーをしていたから基本丸腰だったんだが、公安として動く時には携帯していてね…これをAに使って欲しいんだ」
ずしりと重い拳銃には赤みを帯びたものがこびり付いている
…恐らく血痕
「…こういうのは公安で押収されるんじゃないの？」
「ウチも税金で動いているんだ…何丁も買えるほどの資金はない」
なるほど、資金が足りないから使いまわせと…
「分かった…使いたくはないけどね…」
軽く頷いた零に背中を向けてポツリと告げる
「…ちょっと１人にしてくれない？」
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紅 - 面白いです！頑張って下さい。応援しています。後、いきなり、すいません。m(_ _)m (8月23日 12時) (
レス) @page43 id: 2876b83137 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 初めまして！素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月12日 17時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめもやし | 作成日時：2022年4月12日 20時
