# ページ33
松田陣平のことが気にかかって、資料室へ向かうと見知った顔が前方にいた
「零!」
「A?いいのか?話しかけない、って約束…」
「なんかもういいかなーって。友達作るの私には無理かも」
そう言うと、がしりと肩を掴まれた
「なんてこと言ってるんだ!Aの魅力に気付く奴が絶対にいるはずだ!諦めるなんて僕が許さない!」
…なんでそこまで熱くなれるの?
幼なじみとは言え、赤の他人の為に…
不思議な気持ちでPCの電源を付ける
零の細い指が導き出した答えは『松田丈太郎』
萩原研二がぽつりと漏らしていたプロボクサーの父親の名前だ
「プロボクサー松田丈太郎…殺人容疑で逮捕…」
昔の新聞記事を目で追いながら溢した呟きに思わぬ返事が返ってくる
「その事件、当時は大騒ぎだったらしいよ?」
背後に立っていたのは双子の兄と萩原研二
「誤認逮捕だったって、萩原が」
その言葉の後に萩原研二によって紡がれた真実はこう
プロボクサーだった松田の父親は、小競り合いをしている男性二人を見つけたものの、タイトル戦を控えていたためにスルーした
翌朝、そこで男の遺体が見つかった
松田丈太郎の目撃情報があったこと。
被害者は元プロボクサーで松田丈太郎と因縁があったこと。
殴殺だったこと。
それらを踏まえて、警察は松田の父親を逮捕した
容疑は晴れたが、彼はボクサーを辞め、酒に溺れてしまった…
「なるほどな…」
「でも分かんねぇんだよなー…なんでじんぺーちゃんは警察官になろうとしてんのかな?」
怪しげに光った彼の目は一瞬の後、私を捉える
「…で、なんで降谷ちゃんはこの娘と仲良さそうにしてるわけ?」
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紅 - 面白いです!頑張って下さい。応援しています。後、いきなり、すいません。m(_ _)m (8月23日 12時) (レス) @page43 id: 2876b83137 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月12日 17時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめもやし | 作成日時:2022年4月12日 20時