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タカ兄を駅まで送って、家路についた
久しぶりに帰ってきた自分の家はどこか生活感に欠けている
…ずっと零の家か警察庁に泊まり込むかしてたもんな…
何よりも自分の家で1人で居ると世界に1人っきりになってしまったような気がして怖い
たぶん私みたいな人が孤独死するんだよね…
ああ、でも…
誰も悲しませずにみんなの元へ逝けるならそれはそれでいいかもしれないね…
持ち帰ってきた小さな木箱を撫でる
…今だけ。
今だけでいいから。
立場的に消さなきゃいけないことも分かってるけど…まだ余韻に浸っていたい。
誰もいない部屋に、木の蓋を置く乾いた音が響く
伊達班長が時間を超えてプレゼントしてくれた思い出たちが顔を覗かせた
入学した時に作った桜のしおり
陣平くんがスマホを分解したことにブチギレたヒロ兄がへし折ったドライバー
華道の授業で萩原くんが教場一の評価を貰った作品の写真
伊達班長が常備していたデジカメ
零が片手でペチャンコにしたアルミ缶
卒業式にみんなで撮った写真
桜の紋章が付いた6つのボタン
何気ない日常を切り取った写真たちが私の記憶を呼び起こす
明日の仕事は9時から。
少し昔に思いを馳せてもいいかもしれない_
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紅 - 面白いです!頑張って下さい。応援しています。後、いきなり、すいません。m(_ _)m (8月23日 12時) (レス) @page43 id: 2876b83137 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月12日 17時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめもやし | 作成日時:2022年4月12日 20時