諸伏妹は今日も潜入中

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ったく、なんだよあの兄妹は…？！
軍師みてぇな刑事になんか危ない雰囲気を醸し出してる妹

逃げれたからいいけど、逃された感が強いのが気に食わない

フローラルアイスパフォーマンスでいい感じにごまかしたと思ってたんだけどな…

氷柱が溶けたタイミングで上手いこと展示室に入って、氷の中にある本物の妖精の唇を頂こうとしたら、あの軍師もどきたちに包囲されてて正直焦った

アイツ最初から本物が紛れてること分かってたみてぇだし。
俺があの娘に化けてるのも気付いてたっぽいし。

妹の方は平気な顔で不安定な屋根の上にいるし。
なんならまともに戦ったら勝てないくらいの殺気だった
完全に逃されるべくして逃された

あの宝石ブローカーから本来の持ち主に指輪を返すためだろうけどさ…？


…何者なんだよ、あの兄妹…


＿＿＿＿＿＿


「Aさん、キッドが来た時どこにいたの？」

キッドを包囲した時、いなかった彼女を見上げる
どうせアイツのこと捕まえようとしてたんだろうけど。

「んー？ちょっと、ね？…あーあ！怪盗キッド見たかったなー！」

下手なごまかし方に苦笑する俺の後ろから似たような声が聞こえてきた

「Aはよくやってくれましたよ？」

「はいはい…諸伏警部には敵いませんよー」

蘭たちが近くにいないことを確認して、Aさんに耳打ちする

「キッドのこと捕まえようとしてたの？」

その言葉に軽く笑う彼女

「本当は捕まえたかったんだけどね…どっかの人使いが荒い警部さんに協力してくれって言われちゃったからさ」

「すいませんね、人使いが荒くて」

「いやいやいや！！べ、別にタカ兄のことじゃないよ？！一言もそんなこと言ってないし！」

…なんだろう。
諸伏兄妹の力関係が何となく分かった気がする…

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