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和葉さんに扮したキッドが展示室に現れたのを確認して、兄の元へ向かう
「予定通りに動きましょう」
展示室のことは兄たちに任せて、博物館の屋根へ登る
きっと今頃、キッドは中森警部たちに包囲されているだろう
彼の逃走経路がハンググライダーであることは周知の事実。
そして、天井に抜け穴が作られていたことも確認済み。
つまりキッドは脱出のために必ずここにやって来る
…ほらね?
「……このような所に居ては危ないですよ、レディー」
「あなたに心配されたくはないわ、怪盗1412号」
白い影がクク、と揺れる
その手には薄紅色の指輪が握られている
「国際指名手配犯でありながら、盗んだ宝石は持ち主の元へ返す…だったっけ?」
「ええ。出来れば指名手配も無に返したいところですね…」
強い風が吹いてシルクハットの下の前髪が揺れる
声も目元も若い男性にしか見えない
とてもじゃないけど、昔から活動しているとは思えない歳ね…
まあ、見た目を変えている可能性の方が高いかな?
「妖精の唇も持ち主の元へ?」
なぜか月明かりに妖精の唇を掲げてから、薄く微笑んだ怪盗キッド
「…そうですね。お返ししたいと思います」
「そう」
「ですが、貴女にお返しする訳には行きません。私がお返しすべきところは…もっと遠い場所です」
純白のマントを翻して、屋根から飛び降りた影を見送る
今回の目的は国際指名手配犯を捕まえることではなく、怪盗キッドを逃がすこと
…いや、ほんとは捕まえたかったけどね??
タカ兄に言われたら従うしかないじゃん?
翌朝、私たちの元へ妖精の唇が本来の持ち主_指輪が祖母の形見だと主張していた女性_に届けられたという知らせが入った
怪盗キッドも真実に気付いていたということだね…
どうか彼女の黄泉の国への旅路が素敵なものになりますように…
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紅 - 面白いです!頑張って下さい。応援しています。後、いきなり、すいません。m(_ _)m (8月23日 12時) (レス) @page43 id: 2876b83137 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月12日 17時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめもやし | 作成日時:2022年4月12日 20時