第7話 ページ8
そろそろ店に戻ろうか、と重い腰をあげた
「?…」
何故か変な気配を感じた
それは廃墟から少し歩いた山の方からだ
何だこの感じ?
変な違和感の様な?ざわざわする感じ?
何か分からないが得体の知れない何かを感じ取った
そのまま店にも戻ろうかと思ったが、好奇心には勝てない
俺はそのまま山の方へと向かって歩いた
月明かりに照らされてるという事もあり、足元は意外としっかり見えた
勾配は割と急だが、そこまで苦ではない
暫く進んでいくと沢が見えてきた
だいぶ山の上に来たようだ
木々が生い茂る中、少し開けている場所になっていて、月が一層綺麗に顔を覗かせた
「こんな所があるのか…」
背後を振り向けば、山の上から街の全体の様子が見えた
綺麗だな
俺達の船やばーさんの飯屋、さっき俺が居た廃墟までも、全部が見る事ができる
この場所は割と穴場かもしれないな
俺には珍しく物思いにふけっていた
「！…」
その瞬間、俺の背後奥の方から草を掻き分ける音がした
咄嗟に俺は近場にあった岩陰に息を潜めた
なんだ?動物か?
出来れば肉食獣は避けたいんだが……
だが俺の考えの予想斜め上をいくものが草間から姿を現す
「は………?」
草間から掻き分けて出てきたのは、白い小さなもの＿＿＿子供だ
おいおい……子供?
なんでこんな山奥にいるんだよ!?おかしいだろ…
身を潜めて様子を見ていると、子供は沢の付近に小さくしゃがみ、水を手に掬いとり飲み始めた
水を飲んでるのか…
いやにしてもおかしい。親はどこにいるんだ?
そもそもこんな山奥に子供一人っておかしいだろ……
沢を挟んで反対側にいるその小さな子供を俺はじっと見つめた
「＿＿＿＿＿＿」
思わず息を飲んだ
なぜなら、この世のものでは無いぐらいに美しかったから
金銀財宝を綺麗だとか思うのは当たり前だろ?
だけど人を見てそんなに『綺麗』とは思わない
心が綺麗とかっていう比喩もあるが
けど今俺が見ているものは、存在自体といえばいいのか
言葉に表せないぐらい、綺麗なんだ＿＿＿＿
更に月明かりに照らされた子供の顔はまだ幼く、あどけない
だがその瞳には儚さと美しさを帯びていた
白い透き通った肌に月に照らされて銀に光る灰色の髪
薄い紫の瞳はアメジストよりも綺麗だ
子供は水を飲み終わると空を見上げて悲しそうにしていた
今にも泣きたそうな顔に見える
俺は無意識に子供の前に姿を現していた
「なぁ、お前。そんな所で何してるんだ?」
数秒だった。目が合ったのは
その瞬間、子供は弾かれたかのように後ろに飛び退き、怯えきった顔で俺を見ていた
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ああ - びっくりマークの後に空白をつけた方が良いかも！ と思います！ (5月4日 13時) (
レス) @page2 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
沙々鳴(プロフ) - ooさん» ooさんこんばんは!!はじめまして!!大好きと言って頂けてすぅっっごく嬉しいです😭✨ちまちま更新になってしまいますが、これからのお話をぜひ楽しみにしていて下さい!!✨コメントとご感想ありがとうございます✨ (2月11日 23時) (レス) @page31 id: 2837963d9b (このIDを非表示/違反報告)
oo - 大好きです！更新楽しみにしてますね！ (1月28日 11時) (レス) @page30 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
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