#18 ページ18
私が14歳。ウタが9歳になった頃
「次はあの島だな」
今日からその島に停船することになった
島には王国があるが、その王国にではなくフーシャ村という村で暫く過ごすそう
名の通り、村には沢山のフーシャがあった
見る限り、穏やかな印象
少しは羽を伸ばしたいと思うけど、それは出来ない
私にはウタの面倒を見るという役割があるから
2年前と違い、少しは大人っぽくはなったものの
私と比べたらまだまだ子供。とてもじゃないけれど目は離せない
「……………………」
どうせまたシャンクス達は酒場でお酒を飲んだりするんだろうし
その間、ウタの面倒を見るのは私
ウタ自身は「大丈夫だってば！」とよく言うけれど
“大丈夫じゃないから私が傍にいなきゃいけないんだよ”
何をしたって危険はつきもの
他の海賊がいないからって危険が絶対に無いとは限らないのだから
フーシャ村に着くといの一番でウタは「降りたい！」とはしゃいだ
案の定と言えば案の定
「ウタ、俺と行くか?」
「いやいや俺だろ」
シャンクスとヤソップさんがウタに声をかける
2人にくっついて行ってくれたら幸いと言ったら幸いだけど
でも。思い通りにいかないのが“子供”というもの
「いーの！私はララにエスコートしてもらうから！ね、ララ」
そう言うとウタは私の右手をぎゅっと握る
「いや、ウタ。ララにだってララの時間が…」
「別にいいよ。どうせ暇だから」
「けど、ララ」
「大丈夫だよ。私もう大きいし、おねえちゃんだよ?問題なんてないよ?」
いつもの笑顔を向けた
優しい優しい姉の笑顔
「…分かった。お前がそこまで言ってくれるなら」
渋々とシャンクスとヤソップさんは引き下がった
どうせシャンクス達に預けても最終的にウタが「飽きた」と言って私の元に来る
そんなだったら最初から私が見てた方が早い
船を降りると明るい村人達が快く私たちを迎え入れてくれた
この村の村長さんという人はちょっと怒ってはいたけど
海賊と言ったら直ぐに宴等騒がしいことが好き
船を降りた船員は皆、村の酒場に吸い込まれるように向かっていった
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