―失声症― ―にのあい―part９ (ページ9)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:239,759 hit

■―２４９―　ページ9

智side

.

.

.

.

休日の午後

僕はリビングのソファーに座って編み物をしながら

「はぁ」と小さなため息をついた

.

.

和「ため息ついてると、幸せ逃げるよ？」

智「もう逃げてるもん」

和「あっそ。つーか、何で編み物なんかしてんの？趣味？」

智「べっつにー。ただの気まぐれー」

.

.

今朝、雅紀くんの様子がおかしかった

しばらくの間僕の服の裾を掴んで離さなくて

少しして「ニワトリちゃんの所行ってきます」と言って庭に行ってしまった

一緒に朝ご飯作りたかったのに

.

.

.

翔「相葉はまた部屋にいるのか？」

潤「そうなんじゃねーの……」

.

潤は、あんまり口を利いてくれなくなった

.

慎夜くんは最低な人だって言ってたけど

それが嘘なのか本当なのか

半信半疑、と言ったところかな

.

.

.

.

―ピンポーン

.

智「あ、お客さんだ……」

.

訪問者を告げるチャイムが鳴って、編み物してる手を止めて

玄関へと向かった

.

.

.

―ガチャ

.

智「…はい……？」

慎夜「こんにちは、智さん

今日は塾も何もないから遊びに来ちゃった」

智「いらっしゃい……」

.

顔が引きつった

.

.

慎夜「これ、皆さんでどうぞ！

母の田舎から送ってきたリンゴです！」

智「いつも悪いね～。ありがとう」

.

悪い子、には見えないけどなぁ……

.

.

慎夜「あの……相葉くんは」

智「雅紀くんなら、２階の部屋に……。まぁ、上がって」

慎夜「はい。お邪魔します！」

.

.

慎夜くんを家に上げて

２階の雅紀くんの部屋の前まで案内して

１階に戻った

.

.

.

潤「……お客さんって、誰？」

１階に戻って早々に、そう聞かれたけど

.

.

智「うーん……まぁ、ちょっとね……」

苦笑いして、適当に誤魔化しておいた

.

.

.