―失声症― ―にのあい―part９ (ページ4)

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■―２４４― ページ4

和也side

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相葉を避けるようになって、一週間が経過した

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和「……また、庭にいる…」

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窓から庭を見て

思わずそんな独り言が出た

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庭の隅のニワトリちゃんのお墓の前にいる相葉を

室内の窓から見つめながら

湯気の立つココアをすすった

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拒絶されて以来

僕は１回も相葉に話しかけてない。むしろ避けてる

同じ家で生活してるのに

目さえ合わさない

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縮まったと思った距離は

余計に広がった

一度広がった距離を再び縮めるのは……難しい

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相変わらず相葉の顔からは笑顔が消えたまま

あの子の笑顔を

もうずっと見てない気がする

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しかも相葉は、あからさまに僕らと距離を置いてる

僕とも

翔くんとも

智とも

……潤くんとも

みんなと距離を置くようになった

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何で相葉は、こんなに変わってしまったんだろ？

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やっぱ僕らが

心を……壊したせいか……

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翔「かーずくん！それ、ちょうだい」

和「え、あ……」

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ボーっとしてたら、翔くんにマグカップを奪われて

ココアを飲み干された

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翔「和くん、最近……ずっと暗い顔」

和「まぁ、ね……。笑う気になれなくて」

翔「そう。……まぁ、気持ちが暗くなっちゃうのも無理ないけど」

和「……」

翔「さっき、相葉に話しかけてみたけど……無視されちゃった」

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翔くんは小さく笑った

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翔「無視されるのは辛いけど

……相葉との関係がずっとギクシャクしたままなのは

絶対嫌だから」

和「……」

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いつもいつも

僕は翔くんを支えてきた

けど今は

逆に僕が翔くんに支えられてる気分

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