―失声症― ―にのあい―part９ (ページ30)

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翔「っ…馬鹿……いなくならないでっ…

勝手にいなくならないでよっ……！！」

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雨に濡れながら

翔くんは弱々しい声で叫んだ

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翔「いなくならないで……。そばにいて……？」

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櫻井くんの目から零れた涙が

俺の頬に落ちた

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翔「守るから……。何があっても…絶対に

僕が守ってあげる……」

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……守る？

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その言葉、信用しても大丈夫なの……？

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翔「だから……いなくなったら、ダメだよ？」

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泣きながら

櫻井くんは微かに微笑んだ

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釣られて、俺も小さくだが笑みが零れた

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潤「翔くん、さっき電話したから

智、もうすぐここに来るよ

つーか……濡れてるよ？翔くん」

翔「……平気」

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ふいに、松本くんと目が合った

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潤「……馬鹿」

と、小さく呟いてたのが、俺の耳には確かに聞こえた

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智「雅紀くんっ……！」

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遠くから

大野さんの声が聞こえてきた

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それと同時に

俺は意識を失った―――――――――…

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