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オレの母親、あの女はどうやらサルディニアの出身らしく、ドッピオはその土地の小さな村の教会に引き取られた。オレは本能で肉体への出入りをすることができた。共有ではあるが、自在に身体を動かせるという事はとても痛快であり、幸福に満ち溢れていた。
ドッピオは物心がつく頃にはオレの存在を忘れていた。オレもドッピオへ対し激しく自身を主張することもなく、時々オレが出入りするドッピオのこの身体は、睡眠時遊行症と診断されたことなどもあったが、それも今となっては過去の出来事である。オレはだんだんと魂の出し入れをより簡単にこなしていったし、身体を操っていない間でも、意識を集中させるだけでドッピオが観ているものを感じ取ることができるようになっていた。
その夜、故郷サルディニアへと帰ってきたあの母親は、懲りもせずに再び盗みを働こうとドッピオの住んでいた教会へ忍び込んだ。オレは歪んだ感情をあの母親へ抱いていた。もがく事さえ出来ない苦しみ。屈辱。気が遠くなるほどの時間を、あの何も見えない闇の中へとオレを閉じ込めたあの母親を。ただ殺すだけでは済まないと。同じ目に遭わせてやろうと決めたオレは、母親の口を縫い、言葉も発せぬよう薬で喉を潰し、しかし絶対に殺しはせず、暗闇の中動く事も出来ないよう閉じ込め、生かし続けた。それがオレの母親へ対する接し方だった。
オレもこの母親と同じことをすれば、どうしてオレがそうなってしまったのかが理解できるかもしれないと、そんな生温い考えを抱いていた時期もあった。昼はドッピオが恋人のドナテラと過ごし、夜になればオレが身体を乗っ取り母親を観察する。そんな生活を繰り返していたある日、ドナテラの母親が病気になったという知らせを受けて、一度彼女が実家のカラブリア州へ帰郷する事が決まったのだ。その時のドッピオはとても落ち込んでいたように見える。だがその時のオレにとっては到底理解できるような話してはなかった。帰郷する前日、ドッピオは初めてドナテラを抱いた。幸せそうに笑い合う二人の様子を伺いながら、あの時理解できなかったドッピオの気持ちが、今では痛いほどよく分かる
「……トリッシュは、ボスの娘じゃあ無いんですか…？」
おずおずとAが小さく尋ねる。当然この質問は予測していた。オレは素直にそれに答える
「…トリッシュはオレの娘でもあり、ドッピオの娘でもある。しかし厳密に言えば、アレはどちらの子でも無い」
「……どういう、ことですか」
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レイ - ディアボロ大好きなんで読んでてすごく幸せになりました...ありがとうございます、応援してますッ(*`ω´*)ゞ (2019年7月29日 3時) (
レス) id: 8c2c39cf4c (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 今日の朝からぶっ通しで読んでました！ほんとに最高です、読んでいるこっちまで幸せな気持ちになれました！ありがとうございます！！ (2019年7月28日 12時) (レス) id: 5ad2d14ece (このIDを非表示/違反報告)
うまうま@馬犬さんに憧れて - もう……ほんとすきぃ……。とうとい、d(^q^).｡o(マジ尊い)いつも更新楽しみにしてます。前まではなんか緊張してコメントできなかったんですけど、頑張りました！続き待ってます。 (2019年7月25日 16時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
さとりぐ(プロフ) - あまああああああああああああああああああ死ぬ (2019年7月22日 11時) (レス) id: 87b309d9ee (このIDを非表示/違反報告)
パンバーガー - 二人がめっちゃ可愛いです！無理をしない程度の更新をしてくださいね！ (2019年7月21日 7時) (レス) id: e168a05c5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しそし | 作成日時：2019年7月18日 19時
