お兄ちゃんになんてなりたくなかった

お兄ちゃんになんて…25 ページ29

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賢二郎side



無事朝練にはギリギリ間に合ったため監督から怒鳴られることはなく、ペナルティも無かった。まぁ天童さんだけは「賢二郎、今日ギリギリじゃん。めっずらしぃー」とうるさかったけど。



「にしても、本当に白布が寝坊って珍しいな」


「ほっとけ。そのせいで朝飯食べ損ねたんだよ」


「いや、自業自得だろ。誰に起こしてもらえ……あぁ、そっか親御さん今居ないんだっけ。Aちゃ……妹は？」


「……あいつは関係ないだろ」


「(これは何かあったな)…まぁ。しばらく2人なんだろうし仲良くしろよ」



"じゃ、また昼休みな"と自身の教室に入る太一。バレー部で唯一Aと関わりのあるメンバー。それ故に俺とAとの関係性があまり上手くいってないことをなんとなく勘づいてるぽい。





仲良く………ね。
それが出来たら苦労してない。




朝礼までの時間、今朝のことを思い出す。





同じ洗剤、石鹸を使ってるのに俺よりほんの少し甘い香り


簡単に壊れそうなくらい小さい身体。


ちゃんと食ってるのかて心配になるくらい細い腰



…………妹じゃなければいっその事







って何考えるんだか。朝、食べずに朝練もしたからから腹の虫が鳴く。腹が減って頭が働かない。そのせいで思考もおかしくなる。





「はぁー……早弁でもするか。」









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