お兄ちゃんになんてなりたくなかった

お兄ちゃんになんて…13 ページ16

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賢二郎side




あの後とずっと先輩たちには色々聞かれ部活のときは休憩中ずっと絡まれ(特に天童さん)普段より疲れた気がする。しかも、今日から母親がいない分、ご飯の準備とか家の事とかAに押し付けようと思うがさすがにダメだな。



「 絶対寮に入った方が楽だろ」


改めて何としてでも母親を説得し入寮すれば良かったと後悔の念にかられる。




ｶﾞﾁｬ


玄関の扉を開ける。


「……あれ」




玄関からでもわかるリビングから漂ういい香り。Aだろうか。普段と違う……寧ろ母さんの時よりいい匂いで小さくお腹がなったのは気のせいだろう。




『あ、おかえりなさい』



「、、、ただいま。」



リビングに入ればエプロンを着けたAがキッチンに立っている。その姿にちょっと呆ける。



『……ご飯もう少しでできるけど先にお風呂入る？』



「あー……そうする」





いつの間にA料理ができるようになったのかと思いつつ風呂場に向かう。




＿＿＿＿＿「賢二郎ってなーんか妹ちゃんに冷たくない？わざわざお弁当届けてくれたのにあの態度はないでしょー。」




一瞬よぎった天童さんの言葉。



「……そんなの俺だって分かってる」




そんな言葉を忘れるかのように消し去るかのようにいつもより冷たいシャワーを浴びた



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