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治・侑 side

俺らは、揃いも揃って同じ夢を見とる。

それは俺らだけやなくて、バレー部の奴らも。

ただ、俺らの場合は、少し内容がちゃう。

夢ん中でも、俺らは双子で、常に2人で行動することが多く、中でも、双子や言うだけで忌み子だの、鬼の子だの言う喧しい奴らが多かった。

そんな俺らを、夢ん中の影さんは、会う度に優しく抱き締めて、こう言うてくれた。


〈いいかい?君達は双子だ。世の中には君達双子を忌み子などと呼ぶ者もいる。だけど、君達は間違いなく、普通の、何も変わらない、生まれてくることを望まれた可愛らしい子だ。何も気に病むことはない。君達は、自分らしく生きなさい〉


そん影さんからは、いっつも藤の花の匂いがしよって、俺らはその匂いが大好きやった。

匂いだけやない。

優しく抱き締めてくれる腕も、投げかけてくれる言葉も、凛と透き通るようなその声も、何もかもが好きで好きで堪らんかった。


もぐもぐもぐ


揃って朝食を食べながら、俺らはいつも今日見た夢の話をする。


侑『今日の夢、どいないやった?サム』

治『昨日と同じ抱き締められる夢やった。ツムは?』


いつもはよう喧嘩とかするけど、夢の話をする時だけは、俺らは普通に楽しく話すことができとった。


侑『俺もや。毎回思うけど、なんで夢ん中やのに藤の匂いがすんのやろ』

治『分からん。けど、このお守りも藤の匂いするし、それが関係しとんのちゃう?』


いっつも肌に離さず持っている藤色のお守りを眺めながら、朝食を食う。


「なんや、アンタらまた夢ん話しとんのか」

侑『ええやんオカン』

治『俺らにとっちゃあ、幸せな夢やねん』


夢を見始めた頃、オカンにこの話をしたら…


[そんなんただの夢やって!ほら、早う学校行き!]


まともな反応もしてくれんかった。

やけど、いつまで経っても同じ夢を見続ける俺らに、とうとうオカンが俺らを病院に検査させに行ったり、ネットで調べ始め、最終的に出てきたのが…


[信じられへん話やけど、もしかしたらその夢。アンタらのの前世の記憶ちゃう?]


オカンに半信半疑でそう言われた時、俺らの心の中に、ストンとどこにも引っかからずに落ちて来た。

それから言うもの、オカンやオトンも混じって夢の話をしたりもしたけど、大体同じ夢しか見いひんかったけん、そろそろ飽きてきよる。


「アンタら、チンタラ飯食うとんのもええけど、時間は大丈夫なん?」

侑『うお!ヤバッ!』

治『ツム急ぐで!』


こうして今日も、俺らは揃ってバタバタと家を出た。

鬼→←鬼さん



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獅子唐(プロフ) - 夢主の名前は固定ですね。 (2020年5月8日 11時) (レス) id: eb370bf788 (このIDを非表示/違反報告)
亜弥(プロフ) - これからの展開がとても楽しみでお気に入り、評価させて戴きました!続き楽しみに待っています!質問なのですが、夢主の名前は固定なのでしょうか? (2020年5月8日 2時) (レス) id: 05697c536f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:獅子唐 | 作成日時:2020年5月7日 12時

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