多才な奴は苦悩する【ドリミ・男主】 (ページ5)

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第四話ページ5

「えぇ～…はじめまして、犬上Aです。仕事で海外飛び回ってたら皆より入学すんの遅れちゃいました。まぁ、よろしく」

どうも、犬上Aです。ギリギリ遅刻せず学校に間に合った俺は現在進行形で教室で挨拶をしている。
一応礼儀の為軽くお辞儀をしたら、ガタンッと大きな音が聞こえた。
何かと思い顔をあげてみると、緑髪の男が驚いた顔でこちらを見ていた。

「犬上、A…！？」
「はい？」

とてもオーバーな感じで名前を復唱される。
知り合いだろうか。でも、身に覚えはない。

「獅子丸、知り合い？」

緑髪の反応を不思議に思ったのか、橙髪の男が問いかける。
緑髪の男は獅子丸というのか。

「はっ！？お前、知らねぇのかよ！」
「え？」

獅子丸の反応に橙髪の男は何のことだ、という風に返答する。

「WOMBACKの天才ベースボーカルだぞ！？」
「WOMBACK？」

獅子丸の言葉に、次は青髪の男が何だそれは、という風に返答する。

「あーまぁ取り合えず犬上の自己紹介は済んだし、後は各々仲良くやっとけ。俺は帰る」

この状況を面倒くさいと思ったのか、桐谷先生はそう言い残し教室を去ろうとする。
え、先生帰るの？俺この状況どうすればいいの？
そう先生に視線を訴えかける。

「安心しろ。寮の説明とかについては白華に任せてある。後で迎えに来てくれるだろ。それにこいつらも色々教えてくれるだろうしな。まぁがんばれ」

そうハケ台詞を残した先生はヒラヒラと手を振り教室の扉をしめる。
今この状況でほしかった助言はそれじゃないんだ先生。
心の中で嘆きながらクラスメイトに視線を戻す。目があったのは獅子丸だった。
まだこっち見てたのか。しかもまだ驚いてるし。

「まぁ、よろしく…？」

何故か疑問形になったがもう一度、さっきと同じ挨拶をした。

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蜥蜴です。
作って早々ですが明日から遠方へ旅立つので３，４日ほど更新ありません。申し訳ございません。
それと、WOMBACKはウォンバックと読みます。ウォンバットじゃないです。
蜥蜴の好きなバンドのバンド名を一部お借りしました。わかる人にはわかる。
因みに犬上くんのちょっとしたモデル的なんはそのバンドのボーカル。まぁその人はベースじゃなくてギターなんだけども…。