足して2で割るとちょうどいい (ページ3)

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シーンと静まり返る教室

「あれ？聞こえてなかったかな…

大丈夫ですか？」

次はしゃがみ、紀香と呼ばれた女子生徒に顔を近づけ、問う

紀香は、あ、はい！と言い、立ち上がる

それに合わせて少女も立ち上がり、それからどうしたものかと考える

扉は回避できたが、なぜこんなことが起こったのか

これからどうすべきなのか

「ふ、2人とも、怪我はない？」

と、部長の奏が問う

「私は大丈夫です！
あの…飛翔さん？」

「そうですよ」

「飛翔さんは大丈夫ですか？」

紀香は確認する

少女は大丈夫なのかと

「大丈夫ですよ
…あなたに怪我がなくて、良かったです」

少女はそう言って笑った

綺麗

美しい

人形みたい

そんな笑顔で、笑った

「じゃ、先生呼んできますね」

「ありがと、高谷くん」

「はい。では」

高谷と呼ばれた男は、顧問の先生を呼びに行った

その、呼びに行くために少女の横を通った時だ

目があった

横を通る間、晒すことなく、じっと見つめてくる

少女は戸惑いながらも見つめ返した

通り過ぎて行った後も、少女は不思議に思いながらその背中を見ていた

「飛翔さん」

「あ、はい、
どうかしましたか？…部長」

「疾紙先輩とか、さん付けとか…なんなら奏でもいいのよ？」

「じゃあ…疾紙さん」

「うん。それでいいよ」

にこにこ笑う奏

それをまた可愛いと思う少女

先ほどの不思議な行動を忘れてしまうくらいに