2→その少女、事件とともに ページ2
校舎2階
白い、良く掃除された廊下を歩く少女が1人
背中には淡い水色の楽器ケース
触角が楽しそうに揺れている
階段を登り、3階へ
この高校の校舎は6階建てであり、3階でよかったなどと、ひとつため息を吐く
廊下の突き当たりの白い扉
吹奏楽部と書かれたプレートがかけられている
深呼吸をして、その扉に手をかける
ガラッと開けられた音に反応して、部員と思われる生徒がこちらを向く
見られるのは好きではない
むしろ苦手だ
でも、と少女は踏み出した
「入部希望者の、飛翔 天風です
よろしくお願いします」
ちゃんと笑えているだろうか
そんなことを心配するが、だいたい結果は知れている
いつもの笑顔だ
決して、彼女の望んだ笑みではないが
ぺこりとお辞儀をする
こちらへ来て
と、声がかけられたので、顔を上げてそちらへ行く
「はじめまして。部長の疾紙 奏です」
綺麗な黒髪をポニーテールにし、パッチリとした二重、ピンク色の瞳
可愛い
本当に可愛い
「よろしくね!」
そう言って笑顔で手を差し出して来た
少女も手を握ろうとした、その時
大きな音と揺れが起きた
扉が外れ、片方は外側へ
もう片方は内側に倒れて来た
だが、その内側には、先ほどの揺れで尻餅をついて動けない女子生徒がいた
「紀香ちゃん!危なっ…‼」
部長が声を上げたその時だった
近くにあった椅子に楽器ケースを置き、少女が走り出したのは
女子生徒のそばに立ち、扉に向かって回し蹴りをひとつ
目からギラリと光を放った
すると、扉はバアンッと音を立てて外側へ倒れた
ふぅと、ため息をひとつした少女は、後ろを向き
「大丈夫ですか?」
にこりと笑って、そう声をかけた
先ほどの姿とは一転
それは、とても美しい女神の様に思えた
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作者名:裡古都 | 作成日時:2018年10月6日 13時