私立魔法学園inバトルロワイヤル (ページ7)

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二話 byシアレページ7

シアレside

「はぁ～…つまんないの」

相手の攻撃をかわしながら、空を見てポツンと呟く。
かれこれ10分。
試合を開始してからたったその時間は、私を退屈させるのには十分すぎる時間なワケで。

「ってか、なんでこいつまだこんな体力残ってんの？」

バカバカと魔法を打ち続ける相手は、疲れた様子など少しも見せていない。
魔法使ってたら、体力って結構減るハズなんだけど…。
あ～、こんなことならシグの試合見ときゃよかった。
そしたらちょっとは楽しめたのに。
のんきに昼寝してるんじゃ無かったなぁ…。

「“ウィザード"！」

「おっ？ぅわっ！！」

相手の攻撃が足にかすり、体がぐらつく。
ギリギリのところで地面に手を付き体制を立て直した私は、はあ…と一つため息を吐いた。
これの相手がキーちゃんだったら…。
ちょっとした願望が頭を過ぎり、再度ため息を吐く。
相手を見れば、何ため息吐いてんだよみたいな顔で私を見ていて、今にも魔法を繰り出してきそうだ。
なにさその目。
本が無いと戦えないくせに、そんな目で私を見んな。
こんな事を言おうものなら、後々シグにぶっ叩かれるだろうが。
いや、ヘタしたら殺されそう…。
あ、でもシグの本は武器にもなるらしいから、この場合はノーカンか。
ワンちゃんもいるしね。
ボヘーっとそんな事を考えていると、火の玉が私の隣を横ぎった。

「何ボーっとしてんだよ！さっきから、なめてんのか！！」

いやぁ、別になめてるつもりはないんだよ。
めんどくさいってだけで。
けど、そろそろ相手をしたげようかな。
これじゃ、いつまでたっても終わりそうにないし。
スッ…と相手を見据え、ビクッと肩を震わせたそいつにピッタリの魔法を記憶から引っ張り出す。

「ンの…！“ルローザ"！」

ヒュゴッと熱風が体を吹き抜ける。
恐らく、炎系の魔法だろう。
キャーだのワーだの声がするけど、関係ない。
腰に挿していた25cm程の愛用杖を相手に向け、口を開いた。

「炎魔法はシグの特権…って、知ってた？」

ゴォォォと向かって来る炎にそう告げ、呪文を口にする。

「“フロワドロー”」

一瞬。

目の前に迫っていた炎は、呪文を唱えた瞬間一気に氷に包まれ、色鮮やかな赤と青のコントラストを作りだしていた。
うん。上出来。

「超優等生、なめんなよ？」

観客達が騒ぎ出したのと私がそう言ったのは、ほぼ同時だった。

二回戦第一試合
Win シアレ

あ、炎魔法は私も使うから、シグの特権ってワケじゃないか。