私立魔法学園inバトルロワイヤル (ページ43)

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三十三話byノイズページ43

『あぁ、君…えぇっと…ノイズ君？……君さぁ…強すぎなんだよ？こっちから病院費やらなんやら出してるわけでさぁ』

知るかっていうんだ。ボクは悪くない。悪いのは目の前で薄っすら二ヤついているこの何どうを食ったらそうなるんだって位ぶよぶよに太った爺。

…………で、まあ今に至るわけなんだけど…その、「今」が結構大変でしたりしちゃってます。
いつもの見慣れた――少し…いやぐっしょりと血の色に染まった土や壁なんだけど――バトルロワイヤルの会場には何故かボクの大嫌いな人間が、ボクを含め三人。多分あの爺の計らいだろう。

目の前にいるのは、おんなじ顔をした(多分双子)男一人、女一人。しかもこの二人いっつもおんなじ時に同じことをしゃべるんだからもちろんこっちはたまったもんじゃあないのだけれど。

「お前は…なぜそんな強い？」
「お前は…なぜそんな強い？」

…鬱陶し。同時にそんなこと言われたらボクのいら立ちをあおってるようなもんだよ？

「なぜ強いのかって？―――勿論、守るものがあるからさ！」

なぁんてね。内心少し毒づきつつも身構える。

「嘘をつかないで貰えると此方としては有難くて仕様がない」
「嘘をつかないで貰えると此方としては有難くて仕様がない」

そこで双子はすうっと息を大きく吸い、きらり、と澄んだ蒼の目をきらめかせる。
　

「貴様のようなゴミなんざ早く消えろおおおおおおおおッ！」
「お前なぞ消えてしまえば世界の為なのにいいいいいいッ！」
　
そこで初めて二人は内容は似ているものの違う言葉を口から思いっきり吐き出した。

「そんなのボクの為にならないじゃんかよぉ！」

魔法を、使う。下にあった石の大きさを反転し更に重力をも反転させ――投げつける！
　
「いやああああッ！」

聞こえた悲鳴はなんでか一つ。なぜなら男は女をかばっていたから。何故かどうしようもないあの大好きな使用人の声や笑顔が脳裏に浮かぶ。

「―――…ッ」
来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るなぁぁぁッ!今僕の脳内および体は混乱中ですので怒らさない様にお願い申し上げます。

「アンタの所為だああああッ」

………あーあ。ボクはちゃあんと忠告したぜ？

「―――――ばいばい。来世では仲良くできたらいいなぁ。」
耳障りな音を掻き鳴らす。
win ノイズ
　
男は嬉しそうに笑って死んだ。女は人間らしく躾けられなかったにも拘らず、人間らしく笑って消えた。