私立魔法学園inバトルロワイヤル (ページ21)

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十四話過去編byシアレページ21

ドサリ。

「はい、これで13人目～」

目の前に倒れた生徒を見下ろしながら、シアレはつまらなそうにそう言った。

「っあーー！つまんない。もっと強い奴いないのー？」

くるくると杖を回しながら、学校の広場で問いてみる。
まあ、ここにいるシアレ以外の誰一人として意識が無いのだから、誰も答えちゃくれないのだけど。

「(やっぱ、シグとデスマッチしてた方が楽しかったかな～)」

「…貴女が、シアレ？」

「んお？君、誰？」

声がした方を向いて見れば、そこには鍵を幾つか首に提げた、可愛らしい女の子。

「私はキリカ。シアレ、貴女に決闘を申し込むわ」

「…は？」

いきなりの事に、間の抜けた声を挙げる。
…が、すぐにシアレは状況を理解した。

「…いーよ。そのかわり、私の事、楽しませてね」

ニッコリと、腹黒い笑顔でそう言った。

＊＊＊

「カ…ハッ…」

片手に鍵を握りしめたまま横たわっているキリカに、シアレは自分でも分かる程の冷ややかな目を送る。
それもそのはず。
キリカがシアレに決闘を申し込んでから今の状況まで、ものの10分しかたっていない。
いや、他の奴らに比べたら結構もった方なのだが。

「君、珍しい魔法使うね。鍵を使ってドラゴンやらを呼び出すなんて、見たことなかったよ」

「っ…」

「でも、私の勝ーち。それじゃあね。私、こう見えて忙しいから」

バサリとローブを翻し、くるりと踵を回す。

「(あー、つまんなかったなぁ…。シグとデスマッチでもやるかぁ)」

そう思い、うーんと伸びをしながらシグのいるであろう場所に足を運ぶシアレを、キリカははっきりと捉えていた。

＊＊＊

「えっと…この本は…いる。んで、こっちは…」

キリカとの決闘から3日後。
シアレは授業で提出するレポート制作のため、誰もいない図書館で参考になるであろう本を探していた。

「んっと、うん。こんなもんかな」

目をつけた本を5、6冊程抱え、シアレはカウンターに向かう。
さらさらとカードに借りる本の名を書き連ねていると、シアレの横目に人影が映った。

「こんにちは」

本の名を書く手を止め、シアレは声のする方を向く。

「ん？あれ、君、確か…」

そこにいたのは、3日前に決闘を仕掛けてきたキリカだった。

「何か用？言ったよね。私、暇じゃないって」

「ええ、言っていたわ」

「じゃあなんの用ー…」

「決闘よ」

「…はい？」

キョトンとした顔を彼女に向ける。

「聞こえなかった？決闘よ」

シアレは、唖然とした。