シルエット４

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緑side


打ち上げの後、
大毅の学生寮の部屋に、初めて呼んでくれた。


付き合い始めて３週間。

一体いつになったら呼んでくれんのかなあって。


内心、焦ったかったけど、
大毅、ほんまに忙しそうやから、
わがまま言うたらあかんなって、

寂しい気持ち、隠してきた。


そんで。


やっとやっとで、部屋にあげてもらったとこやってのに。


いきなり、色々すっ飛ばして、お風呂って！！！


「なっ、何言うてんのっ？」


思わず、声裏返ってまうっちゅうねん。


「俺、お風呂の番やねん。
やから、ともも一緒に入ろ？」


どうしたら、その文脈で、

やから、って接続詞入るねんて。


大毅はいつもの屈託ない笑顔で、


「なっ！決まり！」


とか言うて、さっさと着替えの用意始めてる。


なんとか断ろ。


俺ら、昔は、そら、色々経験した仲やけどさ。


ずっと離れてたわけやし、
恥ずかし過ぎるやろ。


「寮やのに、部外者が勝手に入ったらあかんやろ？」


「規則は破るためにあるんちゃうん？
昔のともは、校則違反ばっかの悪い子やったくせに」


「せやけど、バレへん？」


「大丈夫やって。
寮母のおばちゃん、２３時には寝るねん」


「・・・そんでも、無理」


「ちゃんとした理由ないなら却下」


ここにきて、なんでこないに強引やねんっ。


「無理は無理っ」


「とも、わがままはあかん」


「これはわがままちゃうっ」


けど、けどな。


もし、大毅とまた、

前みたいな、なんていうん、

熱い恋人同士に戻れるなら。


俺かって、

身体を隅々まで綺麗にしたいのは、やまやまやねん。


いくら秋深い言うても、

ギター弾いてダンスもして、

汗かいてるし。


久々に抱き合って、

くさっ、

思われたないやん。


失った過去は美しい感じるって言うし、

ただでさえ、

現実の今の俺にがっかりされへんか、
ちょっと心配やのにさ。


大毅は俺があたふたしてんのなんか、
お構いなしや。


「早よ行くで。
はい。これ、ともの着替えな。
あっ、パンツは新品やから安心し？」


にこにこの顔で手渡された着替え。


「ありがとう・・・」


受け取ってもうたやん・・・

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