シルエット４

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席に案内されるなり、
ともが聞いてきた。

驚き過ぎたんか、
綺麗な瞳がまん丸なってる。


「まあな。
クリスマスぐらい、
ええご飯食べたいな思って」


しばらくの間があって、
とも、あんま気にいらんのかな、って不安やったけど。


「・・・ありがとぉ！大毅！」


目ぇ、うるうるさせて言うてくれて、
俺まで、幸せな気持ちになってきた。


「どういたしまして。
実は俺、お腹ペコペコやねん。
はよ食べよ」


「実は俺も」


ともが照れくさそうに笑う。


二人で、いざ、沢山の料理が並べられたテーブルへ。


好きなだけ取ってええって、
わくわくが止まらへんやろ。


お皿の上にちょっとずつのせてくねんけど、
これ、なかなかにむずい。


「センスが試されるな。
俺にはなさそうなんは明白やけど、
なるべく頑張ろ」


「大毅、なんか、はしゃいでへん？」


「ビュッフェって初めてやねん。
バラエティに富んでて、
カラフルなおもちゃ箱みたいやねんな」
　

「初めてなん？」


ともが驚いた声出すから、
急に恥ずかしなってきた。


「かっこ悪いよな。
いろんなことに慣れてへんくって。
ともにリードしてもろててさ」


「大毅の、そういう、純粋な真っ白いとこ、
俺、だ、」


ともが言いかけた時、
後ろに人が来て。


気まずそうな顔して、とも、黙ってしもた。


「ん？とも、何か言いかけたやん？」


「なんでもないっ。
はよ席に戻って食べようや」


「うわ、ずっる。
言いかけたくせに」


「何言うか忘れてんもん」


「絶対、嘘やろ」


席に戻って、
椅子に座ったら、

ともが身を乗り出してきて。


「大毅の初めては、全部俺の、が、ええな。
つまりそういうこと、言おうと思ってん」


耳打ちされた。

ちょ、まじで、この子はっ。

こんな公衆の面前で、
なんちゅう強烈な爆弾投下するねん。


あかん。

全身の血液がほっぺたに集まってる。


「そんな可愛ええこと言うたら、ヤバいって」


「大毅が教えて言うから」


「言うたけどもっ」


「あかんの？」


「ううんっ。
めっちゃええっ。
デレ過ぎて、息の仕方忘れそう」


「息はちゃんとして」


「あい」


「美味しそっ。頂きます」

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