シルエット３

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廊下のどんつきまで来て、立ち止まって。

ともの手を掴んで、
奥の空き教室ん中に滑り込んだ。


「大毅？」


事態が飲み込めてないともを、
後ろの壁に押し付けて、
両腕ついて、逃げられへんようにして。


やけど、優しいキスをする。


「妬いてるに決まってるやろ。
小瀧にキスされたりして」


「あれはお別れのキスやん」


「お別れにキスなんかいらんやろ。
キザなヤツ」


「そんなん、大毅もされてたやん。
お別れのキス」


「あれはっ。
不意過ぎて避けられへんかってん」


「そんなら俺もやもん」


「もう俺以外に触らせんなや？」


ともは、俺のもんやから。


「うん。
・・・大毅だけやで」


はあ。可愛ええっ。

俺、溶けてアホなってまうで。

ほんま。


「・・・大毅」


ともが、ねだるような目で俺を見つめてる。


「ん？もっとキスして欲しいん？」


「聞いたらあかん。
前にも言うたのにっ」


「せやったな。
察して先回りしてキスしてあげるんが彼氏の役目やろ？」


「そうやで」


「とも、キスされんの好きやもんな」


「もう。そんなん言うなら、」


最後まで言わせずに、唇塞ぐ。


甘さにくらくらして、

ここがどこかも忘れてまいそうになる。


「はあっ、」


ともが、
たまらんなるような、
ため息漏らすから。


もう、止められへんなる。


頬包み込んで、もっと、深く求めてく。

舌絡ませて、歯列なぞって、
口ん中堪能した後は、
耳たぶを甘噛みする。


感じ過ぎたら、
ともの足がガクガクしてくるねん。


昔と変わってへん・・・


「キスだけでこんな感じて。
とも、ここ大学やで？」


「やあっ。大毅が悪いんやん・・・」


とものカラダから力抜けて、
ぎゅっと抱きしめた時。
　

ピンポンパンポーン


派手な音が鳴り響いた。


「ただ今より、
工学部校舎３階中講義室にて、
プラネタリウムを放映します。



とも、ちょっと冷静になったんか、

恥ずかしそうにしてて。


その顔もヤバいねんて。


「とも。照れ屋さんやな」


「大毅のあほ」


「なんでやねんな」


「大毅が悪いやろ。
あ、あんな、あんな事してきてっ」


「あんな事って？」


「あんな、やらしいん」


「やから、どんなん？」


「もおっ。知らんっ。
俺、プラネタリウム行くっ」

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