シルエット３

４ ページ44

「あー、巫女さんの衣装、可愛ええよなあ。
ともに着せたいなあって見てた」


「はあっ？」


やっぱし。


「いや、メイドちゃんでもええで？」


「俺、女の子ちゃう」


「じゃあ、執事。
新撰組でもええし」


「なんでそんな俺にコスプレさせたいねん」


「やって、絶対に似合うやん。
とも、可愛ええもん」


「大毅もやってくれるならええで」


「マジでっ？
そんならやるやる」


「ほんまに？」


なんだかんだ、ともも嬉しそうやったりして。


「なら来年のハロウィンの日、予約しとく。
一緒にハロウィンパーティー行こな？」


一年先も一緒やで、って、意味を込めて。


「うん、ええよ」


ともは、分かってんのか、分かってへんのか、
ふふって笑う。


「あー、来年が楽しみ」


そろそろ行く？って立ち上がった時。


ちょうど、修と美桜ちゃんが入って来た。


「修！ここ空くで！」


「おー、しげ。さんきゅ」


修とはすっかり元通りやねんけど、
美桜ちゃんとは、気まずいままの筈。


が、しかし。

向こうは気にしてへんらしい。


駆け寄って来て、


「お二人さん、デートなんだ」


そう言うて、からかってきた。


女の子って、マジで強い。


「うん。そうやねん」


俺が答えたら。

美桜ちゃん、ともの耳に、ぐいっと顔近付けてん。


なんか言うてたけど、聞き取られへんかった。


廊下に出てから聞いてみる事に。


「とも。美桜ちゃんに何言われたん？」


「ああ。
女の勘舐めんなよ、って。
そんで、お幸せにって」


「すげーな」


「うん、あの子凄い。
大毅、あんな強い子とよう付き合うてたな」


「いや、俺とおる時は、
きゃぴきゃぴしてぶりっ子やったし」


「うえっ、マジで？」


「うん」


「ふーん」


あ、またほっぺたが膨れた。


もーほんま。

俺ん事、殺す気かっ。


「ともはやきもち妬きやなあ」


「なんでやねんっ」


「分かりやすう拗ねるやん」


「そんな事ないわっ」


「あるねんて。
ほんま、可愛ええっ」


「大毅は妬かへんの？」


「・・・妬いてへんように見える？」


「昔は妬いてたよな。
なんでって事にも。
流星とか康二とかにまでな」

５→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す